military.comによれば、訓練ためにアメリカに入国していたアフガニスタン兵17人が脱走し、行方不明になっています。
テキサスのラックランド空軍基地(Lackland Air Force Base・
kmzファイル)で、防衛言語研究所(the Defense Language Institute)から17人が脱走し、無許可離隊(AWOL)となっています。米軍は彼らを捜索しています。彼らは18ヶ月の教程の最中に姿を消しました。彼らは将校と下士官で、飛行訓練を含む訓練の前に英語を学んでいました。彼らは国防総省の施設に入れるIDカード(DoD Common Access Card)を持っていますが、脱走が明らかになった時点でカードは抹消され、使用不能になっています。この失踪は国土安全保障省と移民税関捜査局、彼らを支援している軍に通知されました。現時点では、国土安全保障省が彼らを捜索する責任を負っています。最後の1人は1月にAWOLになりました。
同様の事件は、2009年にイラク兵が姿を消し、ヒューストンで亡命を求めた事件。ジブチ共和国の兵士が2009年に行方不明になった事件。今年チュニジア共和国とギニアビサウ共和国の兵士がAWOLになった事件があります。ラックランド基地には、2009年に228人のアフガン兵、全体では3,400人の外国人兵がいました。
現在、彼らは行方が分からず、軍に戻るかどうかの意思が確認されていません。このため脱走ではなく、AWOLと呼ばれています。脱走罪(desertion)は、軍に二度と戻らないことが確認された場合に適用され、それ以外の場合はAWOLとされます。最後の行方不明は1月に起こり、すでに5ヶ月以上になりますが、AWOLのままなのは、そういうわけです。しばしば、1ヶ月以上帰隊しないと脱走罪になるという説明を見ますが、これは誤りです。軍は行方不明になってから1ヶ月後に捜査を開始します。これは脱走罪としてしまうと第32条による訴追を行うことになり、軍事裁判が開かれます。レジャーで鹿狩りに行って道に迷い、帰隊時刻までに戻れなかったような場合、軍歴に汚点を残さないための配慮です。
4月にアフガン空軍の整備に関する記事を紹介しました(記事はこちら)。この記事で彼らの給料が安すぎる問題が示されていました。いなくなった兵士たちは、アメリカでなら、給料以上に稼げるはずだと考えたのでしょう。しかし、彼らはアフガン空軍の基幹要員となるはずでした。その、約7%がいなくなったのです。アフガンは先日明確になった地下資源で得た利益を、こういうハイテク兵器を使う軍隊に投入することになりますが、人材が育たないのでは、計画は遅れる一方です。この事件はアフガン空軍の整備そのものに関わる問題です。