輸送会社がタリバンに賄賂で安全を確保

2010.6.23

 military.comによれば、アフガニスタンの警備会社が、週400万ドルを軍閥の長やタリバンに提供しているという疑惑が調査されています。

 アフガン全土の基地にいる米兵へ食糧、水、燃料、弾薬を運ぶ21億ドルの国防総省の契約は武装勢力の手元へ渡ります。輸送会社は道路を支配しているタリバンや軍閥の長に関係がある地元の警備会社へ金を払います。米軍の書面によれば、金を支払わなければ、輸送隊は攻撃を受けます。その金額は200〜400万ドルの間とみられます。調査を受けている会社の一つ「Watan Risk Management」は、カルザイ大統領の従兄弟が所有しています。また、警備会社は武装勢力だけでなく、通り抜ける場所のほとんどすべてのアフガンの知事、警察本部長、地元の武装組織に賄賂を毎月1,000ドル〜10,000ドルを支払わなければなりません。「Watan Risk Management」と関係があり、600人の武装警備員を持つ軍閥の長、ラフラ司令官( Commander Ruhullah)は、カンダハルとカブールをつなぐ国道1号線で警備ビジネスを支配しています。ラフラ司令官は、毎月3,500台の米軍の輸送トラックを警護し、トラック1台につき、1,500ドルを請求します。これは4週間で520万ドルとなります。


 時間がないので、ごく簡単に紹介するだけにします。かなり長い記事なので、気になる人は原文を読んでください。

 実は、こういう問題は2008年にすでに知られており、このサイトでも紹介しました(記事はこちら)。だから、何ら驚くべきことではありません。むしろ、今ごろになって調査をやっているスピードの遅さに驚くべきです。これは、米軍自身が問題を認めたくなかったことに原因があると考えます。しかし、問題が大きくなり、これ以上放置できなくなったので、重い腰を上げたのです。問題はすでにかなり前に明らかになっていたはずです。ブッシュ政権期には、政府内部では公然の秘密だったと、私は考えます。それが、2008年の大統領選挙が終わり、バラク・オバマが当選した1ヶ月後になって、ようやく報じられました。政権が交代し、アフガン戦略も変わった今ごろになって、ようやく軍が調査しているわけです。話になりません。なにもかも遅すぎます。

 他に、久しぶりによいニュースもあります。military.comによると、陸軍参謀長ジョージ・ケーシー大将(Gen. George Casey)が、戦闘地域への派遣は9〜12ヶ月間、次の派遣までの期間を3年間にしたいと言いました。15ヶ月間の派遣は長すぎ、12ヶ月間は無期限には支持できず、6ヶ月間は短すぎるので、陸軍は9ヶ月間を標準にする意向です。戦闘地域への派遣は2007年に15ヶ月間へ延長され、2008年8月には12ヶ月間へ短縮されました。精神衛生評価チームの最近の研究では、1年間の戦闘地域への派遣から立ち直るには24〜36ヵ月間かかることが明らかになったのです。

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