military.comが、カンダハル戦が本格する中、ヘルマンド州を視察したデビッド・ペトラエス大将(Gen. David Petraeus)のインタビュー記事を報じました。長い記事ですが、要するにペトラエス大将は歯切れの悪い答えを返しただけのようです。
ペトラエス大将は、今年少なくとも50回は尋ねられた「進展はありますか?」という質問には即座に答えません、という記述がすべてです。大将が週に7日間、15時間働いているという記述は、多少関心を呼びます。しかし、作戦に関して、肯定的な話は一つもありません。話題がカンダハル戦に及ばないように努めたという感じで、紹介する価値もありません。
それから、昨日書いたよりも、さらに謎めいた攻撃がソマリアで起きています。spacewar.comによれば、日曜日に、国籍不明の軍用ヘリコプターが海から飛来して、アル・シャバブ(al-Shabaab)が支配し、首都モガディシュから南西50マイルにある沿岸町メルカ(Merca)の家にロケット弾を発射しました。少なくともアル・シャバブの指導者7人が家に集合していましたが、誰も負傷しませんでした。アル・シャバブの戦士が銃撃すると、ヘリコプターは飛び去りました。この攻撃は、アメリカが特殊部隊か用兵を用い、アル・シャバブの指導者を狙ったものと考えられています。
昨日、カンダハル戦の部分のコメントを書き忘れていたので、この記事に関連させながら追加します。(昨日の記事はこちら)
この記事からは、ドラゴンの攻撃作戦の詳細は分かりません。各部隊がどの辺にいるかが、まったく書かれていないため、進捗状況が分からないからです。こうした情報はタリバンも分かっていることですから、公表しても作戦に支障はありません。書いていないのは、書く材料がないためであり、よって進捗状況が遅れていると推測できます。さらに、今日の記事がそれを裏づけます。
記事はタリバンを完全包囲するようにも読めましたが、外国部隊には包囲するに十分な兵力はなく、アフガン軍は信頼できません。アーマディ首長が言うのは、多分、包囲ではなく、ローラー式の掃討という意味だと考えられます。だから、タリバンはパキスタンなど、別の地域に逃げられます。しかし、一斉にカンダハル周辺を占領するので、タリバンは一時的にこの地域からいなくなります。そして、しばらくすると戻ってきます。米軍がアフガンから撤退することで、米国民の関心も薄れていくので、それで何とかアメリカの格好はつくという筋書きです。タリバンはかつて首都カブールから追い出されても復活しました。カンダハル戦で、彼らを駆逐できるわけではありません。
ソマリアの攻撃は、以前にも類似するものが行われました(関連記事はこちら)。不毛なアフガン戦の背後で、ソマリアで武装勢力がどのように発展しているのかが気になります。