イラクの焼却穴がすべて閉鎖に
military.comによると、イラクに作られた野外焼却用の穴は2010年末までにすべてが閉鎖されました。
陸軍のウィリアム・マッケンナ3等軍曹(Sgt. William McKenna)が、イラクの焼却穴からの煙にさらされたことに関連すると考えられるリンパ腫で死亡した後、民主党のチャールズ・E・シューマー上院議員(Sens. Charles E. Schumer)、ビル・ネルソン上院議員(Sens. Bill Nelson)がロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert Gates)に呼吸マスクを隊員に提供するように依頼しました。軍はその要請を実現しようとしています。
統合参謀本部議長マイク・マレン海軍大将(Adm. Mike Mullen)は、すべての焼却用穴は2010年末までに閉鎖されたと、シューマー上院議員とネルソン上院議員への手紙で書きました。「我々は追加情報の共有と、焼却用穴の懸念を和らげるために次の60日間以内に防護用の装備品を入手して使用することを大きく拡大する方法を選定するプロセスの中にあります」「現地指揮官は焼却用穴が安全に、治安の安定した地域で、定期的に検査されて運営されることを確実にしようともしています」。
退役軍人たちは廃棄物が焼却用の穴で燃やされるときにできた煙で病気になったと主張しています。国防総省の研究家は、焼却用穴の煙は病気を生まないと主張しますが、退役軍人援護局は関連性を調査しています。
イラクで基地の廃棄物を焼却するために、基地の近くに作った巨大な穴が、煤煙により兵士に健康被害を起こしたという問題は、当サイトでも何度か紹介しています。(記事1・2)
穴を埋めるだけなのに、随分と時間がかかったものだと思います。前にも書きましたが、何でも焼却するような廃棄物の処分方法は、米国内では違法になるでしょう。洗車場の水すら、浄水してからでないと下水に流せず、洗車場の浄化装置は水を再び洗車に使えるほど清潔にします。それがイラクに来ると、途端にレベルが落ち、米国民に健康被害が出るまで放置されたのです。アフガニスタンでも、基地の衛星基準が見直されているらしく、依然に見たドキュメンタリー番組では、基地から出ている排水溝が埋められることになったと説明していました。それは、こうした事件がもたらした結果かも知れません。
米軍基地で大将の塵が出るのは当然です。業務用の物資だけでなく、兵士が飲む缶ジュースやお菓子の袋、ゲーム機の電池までが捨てられるわけですから。安全に燃やせるものを分別して、燃やせないものは持ち帰るくらいの対処が必要です。
米軍は過去にも同様の健康被害を現地に残してきました。ベトナムでは枯葉剤を航空機に搭載した空軍基地で、枯葉剤が漏れ、周辺地域に問題を引き起こしていると言われています。
考えてみれば、戦争に関係する国際法には、こうした環境汚染や健康被害に対する既定はありません。しかし、人工的に作られる化学物質が増え、燃やすと有毒な物質を出す物が増えた現代においては、ゴミ処理に関する既定が必要かも知れません。米軍のような巨大な組織になるとゴミの量も大量で、無視できないレベルになるのです。
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