米軍が新しいアフガン補給路を計画中
military.comによれば、アフガニスタンの米軍は、パキスタンが補給路を閉鎖した場合に備えて、新しい空輸方法を探しています。
アメリカ輸送軍(the U.S. Transportation Command)の指揮官に指名されたウィルアム・フレーザー三世大将(Gen. William M. Fraser III)は、米上院軍事委員会で、アフガン駐留米軍への貨物の約35%がパキスタンを通り、残りは北部の補給ルートを通っていることを認めました。
航空戦闘軍団(Air Combat Command)を指揮するフレーザー大将は、承認されれば、アメリカ輸送軍のダンカン・マクナブ大将のあとを継ぎます。
フレーザー大将は、パキスタンが補給路を遮断すれば混乱があるものの、上院に問題は解決されるだろうと保証しました。彼は、アメリカ輸送軍はペルシャ湾の諸国と戦域内輸送プログラムに関して協力していると言いました。その下で、船舶が貨物を湾岸の港に運び、そこから航空機がアフガンへ運びます。フレーザー大将は彼が「我々がこうむる混乱を最小限にすることを確実にするため、計画を徹底的に調査します」と言いました。
アメリカ輸送軍は、イリノイ州のスコット空軍基地(Scott Air Force Base・kmzファイルはこちら)に本拠を置き、戦闘中の兵士への補給と世界中の軍人家族の移動を担っています。
万一に備えて、米軍は補給路の拡大を考えているのです。戦闘地域には物資や人員の補給が欠かせません。パキスタンの補給路は以前から武装勢力の攻撃にさらされたり、先日報じられたようにタリバンの輸送に利用されたり(関連記事はこちら)、パキスタン政府が抗議のために閉鎖したりします(関連記事はこちら)。そこで、キルギスタンのマナス空軍基地を経由した北部ルートが設定されました。
それでも、パキスタンの陸路が使えなくなった場合に備え、米軍はペルシャ湾からの空輸を検討しているということです。すると、航空機で飛ぶ距離が増えるため、輸送にかかるコストは一層増えます。アメリカにとって、望ましい話ではありません。撤退を決めてもコスト増があれば、経済効果は減少します。これが湾岸ルートの最大の問題点です。
なお、リビア関連の新しいニュースはありません。
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