カダフィの妻ら4人がアルジェリアに入国
BBCによれば、カダフィ大佐の妻と3人の子供たちがアルジェリアにいると、アルジェリア当局者は言います。
アルジェリア外務省の声明は、カダフィの妻、サフィア(Safia)、娘のアーイシャ(Ayesha)、息子のムハマド(Muhammad)とハンニバル(Hannibal)が月曜日早くにリビアを出国したと言いました。
リビアの反政府派は、アルジェリアがカダフィ一家による侵略行為を保護することを考慮して、彼らの引き渡しを要求すると言いました。カダフィ大佐の居場所は不明のままです。
一方、別の息子、ハミス(Khamis)がバニ・ワリド(Bani Walid)付近の戦いで殺されたかも知れないと反政府派が言う未確認の報告がありました。
カダフィ大佐の妻と3人の子供がアルジェリアに到着したことは国連と反政府派当局に報告したとアルジェリア外務省は言いました。同外務相は彼らが現地時間で月曜日の08:45(07:45 GMT)にリビアとアルジェリアの国境を渡ったと言いました。ベンガジにいるBBCのジョン・レイン特派員(Jon Leyne)は、そうした移動はすでに2日前に反政府派の司令部からもたらされ、その時点で、アルジェリア当局は重装甲車両6台が国境を渡ったことを否定したと言いました。アルジェリアはリビアと長い国境を持ち、アルジェリア政府はまだ暫定国家評議会(NTC)を承認していないため、カダフィ一家の明白な避難所だと、特派員は言いました。
NTC広報官、マフムード・シャンマン(Mahmoud Shamman)は「私たちはこれらすべての犯罪者に公正な裁判を提供すると約束しました」「私たちは誰にでもカダフィと彼の息子たちを保護しないように警告しているところです」。
ムハマドとハンニバルは政治に少しだけ関与する息子です。反政府派は以前に、他の息子たちがカダフィの拠点、シルトの内部か近くにいるかも知れないと示唆しました。月曜日、反政府派のアル・マヒディ・アル・ハラギ大佐(Col Al-Mahdi Al-Haragi)は、先週の大量虐殺で非難された陸軍部隊を指揮するハミス(Khamis)が戦闘で重傷を負った後で死亡したと言ったと伝えられました。反政府広報官、アーメド・バニ(Ahmed Bani)は、戦闘の間に破壊された車列の死体は判別が不可能なほど焼かれていましたが、捕虜になった兵士はそれらがハミスのボディガードだと言いました。反政府派のテレビ局は、ハミスがズリタン(Zlitan)に埋葬されていると報じました。あとで記者が疑問を呈しましたが、内戦の初期にハミスが空爆で殺されたという報告がありました。今月初め、反政府派がサイフ・アル・イスラム(Saif al-Islam)を拘留したという主張が、あとで真実ではないことが分かりました。
反政府派はカダフィ大佐の故郷、シルトに向けて前進していて、途中にある小さな町、ノフィリア(Nofilia・kmzファイルはこちら)を占領しました。
反政府軍はカダフィ大佐はまだトリポリ地区にいるかも知れないと考えていると、特派員は言います。
別に、漏洩した書類は、紛争後のリビアのために軍事監視員200人と治安を支援する国連警察間190人を国連が提案しているように見えます。「Inner City Press」のレポートによると、派遣は最初の3ヶ月のために61人の民間人スタッフがいる国連任務へ続きます。どんな計画もリビア暫定当局が要請し、安保理事会で承認される場合にだけ実行されます。
ロッカビー航空機爆破事件のアブデル・バゼット・アル・メグラヒ(Abdelbaset Al-Megrahi)が危篤状態という報道がありました。彼はカダフィ大佐が反政府派に対抗して行った集会に参加していました(過去の記事はこちら)。今月20日付けのmilitary.comが、彼は後数年生きるというイギリスの前立腺癌専門医の見解を報じていました(過去の記事はこちら)。ロジャー・カービー教授(Prof. Roger Kirby)は、59歳のアル・メグラヒが最先端のホルモン治療を受けているらしいので、この薬のお陰であと数年間生きるかも知れないと言いました。カービー教授はアル・メグラヒが収監されたスコットランドの医師は、新しいホルモン系治療薬アビラテロン(abiraterone)について知らなかったと言いました。それは最近、米国食品医薬品局で承認され、ヨーロッパではまだ使えません。
暫定国家評議会がアルジェリアにカダフィ一家4人の引き渡しを求めているのは、アル・メグラヒを引き渡さないとする主張とは食い違います。今回アルジェリアにいることが確認された4人は、国際刑事裁判所から起訴されていません。もちろん、その他の犯罪行為を行っている可能性はあります。CNNがハンニバルの妻が家政婦の女性に熱湯をかけてひどい火傷を負わせたことやハンニバル自身の暴力事件を報じています。今回、4人が居場所を明らかにしたのは、アルジェリア政府が彼らを反政府派に引き渡さないと確約しているからに他なりません。
カダフィ大佐やサイフ・アル・イスラムもアルジェリアにいる可能性が高いと思います。アルジェリア政府も彼らが隠れるのに協力していると、私は考えます。カダフィ大佐とサイフ・アル・イスラムは国際刑事裁判所や暫定国家評議会に引き渡されるのを恐れ、姿を隠しています。ビン・ラディンが特殊部隊の急襲で殺され、アルカイダのナンバー2のアティヤ・アブドゥルラフマンが無人攻撃機によるミサイル攻撃で殺されています。大佐らは居場所が知れれば殺されると思い込んでいるはずです。
ノフィリアが占領されたように、反政府派はシルトに着々と向かっています。いずれ、街は完全に包囲されます。こうなるとカダフィ大佐らが安全に脱出するのは難しくなり、混乱の中で死亡する危険もあります。だから、私は大佐はすでにこの付近にはいないと思っています。彼らが公言しているように「リビアで死ぬ」ような潔い最期を彼らが望むのかについて、私は確信が持てずにいます。
シルト戦は避けられるべきです。小さな港しかなく、脱出が困難な街で戦闘が起きれば、市民に大きな被害が出ます。もはや、抵抗は意味をなしません。シルト方面から反政府軍が接近しているのは報じられていますが、ミスラタ方面からも挟撃する形で進撃しているはずです。カダフィ軍を混乱させるために、西方からの接近は報道させていないのかも知れません。シルトは大きいようでも、東部はほとんどが農地で、市街地は東西5km程度の幅しかありません。制圧はそれほど難しくないのです。
カダフィ大佐とサイフ・アル・イスラムを捕まえないと、リビア革命は終結しないのでしょう。今後、反政府派かどうかは分かりませんが、彼らを拘束・暗殺する試みが実行される可能性があります。
反政府派はサイフ・アル・イスラムを逮捕したと報じたのは、カダフィ支持者を降伏させるための偽情報だったことを認めたとCNNが報じました。ハミスの死因は現段階では明確ではありません(今回から、過去の記事も含めて「カミス」から「ハミス」へ変更しました)。
アル・メグラヒはトリポリの病院にいるとCNNが報じています。彼が危篤になったのは、動乱でアビラテロンが手に入らなくなったためなのか、自然な死が訪れたということなのかは分かりません。このまま死なせるほかないようです。カダフィ大佐も放置して自然に死なせるべきか、悩ましい問題が残されています。
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