アフガン政府が拘留者の解放を要求
military.comによれば、アフガニスタンの調査委員会は、米軍を同国内の刑務所で拘留者を虐待したと訴え、証拠なく逮捕した者を客奉仕、すべての囚人をアフガンの管理下に移すというカルザイ大統領の要請を支持しました。
この要請は、2014年以後のアフガンにおけるアメリカの役割を決定する戦略的パートナーシップ取り決め(Strategic Partnership Document)の交渉が続く時に、アメリカとアフガン政府を衝突コース上に乗せます。今、拘留者の問題を押し出すことで、カルザイ大統領は交渉において、彼の手を強くしようとしているかも知れません。
アフガンの調査メンバーは、米当局が彼らに武装勢力の容疑者は、バグラム空軍基地(Bagram Air Base・kmzファイルはこちら)外にある刑務所に、アフガンの裁判所が使えない情報に基づいて拘束されていると言ったと言いました。
カルザイ大統領に命じられた調査を指揮するグル・ラーマン・カジ(Gul Rahman Qazi)によれば、2度の訪問の間に面談した拘留者は、凍るように冷たい、屈辱的な裸体の検査、光を奪われていることに不満を述べました。別の調査員、セイド・ノルーラ(Sayed Noorullah)は、囚人は出来るだけ早くにアフガンの管理に移されるべきだと言い、「証拠がないのなら、彼らは釈放される権利があります」と付け加えました。
米大使広報官、ギャビン・サンドウォール(Gavin Sundwall)は、委員会の記者会見後に報告書を受け取ったばかりだと言いました。「我々は必ず報告書を深刻に受け止め、調査します」。彼は責任ある態度で拘留者を戻すための共同の計画でアフガン政府と作業していると付け加えました。
カルザイ大統領は木曜日に出し抜けに、米軍に一ヶ月で刑務所の完全な管理を返せと要求しました。刑務所は正式にはパルワン拘留センター(the Parwan Detention Center)と呼ばれていますが、一般にはバグラム刑務所(the Bagram prison)と称されます。カルザイ大統領の広報官は、大統領が調査チームの報告書への対応として発表を行ったと言いました。
金曜日にタリバンは、アフガンの拘留者に言及した声明において大統領を嘲りました。「表面上、彼は国家主権と人々の福祉を語りますが、実際には、我々はいま、何年間も、裁判も受けずに、バグラム空軍基地とその他の米軍基地で苦しむ数千人のアフガン人拘留者を目にしています」。
バグラムに近い拘留センターは、基地内にあった古い刑務所を置換するために2009年に開設されました。2002年に以前の施設で2人のアフガン囚人が死亡したことは、米兵数名に対する虐待の告訴へつながりました。
公式にはアメリカとアフガン軍が共同で施設を運営していますが、アフガン側はアフガンの司法で裁判を受ける予定の約300人がいる小さな部分を管理しています。米軍は刑務所のより大きな部分を運営しています。
憲法施行監視独立委員会の特別調査を指揮するカジは、米刑務所当局は、彼らに対する訴訟事件になるのは約3,000人の拘留者の約300人だけだと言ったと言いました。彼は、2,700人のタリバン容疑者は機密情報を使って逮捕された者たちだと言われたと言いました。「外国の友人たちは我々に、彼らは戦場のルールに基づいて拘束され、危険であり、釈放できないと言いました」。同委員会の副委員長、アブドル・ケーダー・アダラクワ(Abdul Qader Adalatkhwa)は、刑務所当局も多くの拘留者は裁判にかけるだけの証拠がないことを明らかにしたと言いました。「アメリカ人は我々に、彼らのルールと規則に従って、彼らが誰かを拘留する時はいつも、現場で証拠写真を撮った後、彼らは現場の証拠(弾薬、武器、その他の証拠)をすべて破壊すると言いました」。「これが彼らの懸念です。拘留者をアフガンに引き渡したら、アフガンの民間のシステムと米軍のシステムの違いのために、ほとんどの人たちが釈放されるかも知れないということがです」。
刑務所はアメリカが戦場の状況と考えるものによって捕まえた数カ国から来た外国人のアルカイダ容疑者を拘留しています。彼らがアフガンに引き渡された時に何が起きるかは不明ですが、アダラクワは証拠がない限りは、彼らが解放されるかも知れないことを示唆しました。「アフガンの司法手続きが彼らに適用されます」とアダラクワは言いました。
一方で、NATO軍の統計は、過去11ヶ月間に暴力事件がアフガンの最も競合している3ヶ所の地域の2ヶ所で増加した一方で、他の地域では減少したことを示します。2010年の同時期に比べて、南部と東部では敵が主導した攻撃はそれぞれ5%と20%増加し、南西部では29%低下しました。南西部での劇的な低下の一方で、数字はNATO軍の圧倒的な数と火力の優位にも関わらず、タリバンの中核地帯での敵の活動は2011年に活発なままであることを示しました。
この記事は少し前に報じられました。
イラクのアブ・グレイブ刑務所のアフガン版が未だに存在するという話です。ブッシュ政権のもう一つの負の遺産です。
グアンタナモベイ収容所の閉鎖を約束したオバマ政権にとって、この報告書を無視することは問題です。本来、永続的に人を拘留することは明確な不法行為です。戦時捕虜の場合は、戦争が終わるまでは拘留が認められます。この場合、国際人道法(ジュネーブ条約)に基づいて人道的に扱う必要があり、裸にして身体検査をすることは非人道的であり、暗がりに監禁するのは最低限の健康な生活に値せず、国際人道法に違反しています。
米軍人には今でも、旧日本軍が捕虜に対して行った非人道的な行為を批判する人がいます。「バターン死の行進」はその代表です。また、日本軍は捕虜を栄養失調状態に置いたり、勝手に殺害したりしていました。しかし、米軍がイラクやアフガンで捕虜に対してやっていることは、旧日本軍と変わらないか、その上を行っています。それに、日本軍が捕虜を裸にして武器を隠していないかを確認していたことが、海外から批判の材料となっていた事実は、現代においては、まったくの皮肉です。将来、こうしたことについてアメリカは謝罪することになるのは間違いがありません。
一方で、テロ容疑者は捕虜ではなく、犯罪者として扱うべきだという意見があります。この場合、迅速な裁判が行われ、有罪なら刑に服し、無罪なら釈放されることになります。しかし、米軍が認めるとおり、曖昧な戦闘情報に基づいて逮捕される者も多く、私は無実の者が逮捕されている場合が少なくないと考えます。
世界で最も人権意識が高いアメリカが、こうした人権無視を平気でやるところに戦争の怖さがあります。領土的野心のない純粋に防衛的な軍事活動であっても、望ましくない不法行為が行われることを、我々は認識する必要があります。
先日、タリバンが和平交渉に乗り気なのは、南東部での米軍主導の軍事作戦の結果だと言った専門家がいて、私はそれに疑問を呈しました(記事はこちら)。NATO軍の統計は、この見解が誤っていることを示しています。増派でカンダハルを米軍が占領したわけではなく、戦果は当初の大きな宣伝の後で、次第に報じられないようになりました。変だと思っていましたが、これではっきりしました。
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