トルコはシリアとの戦争を望まない
BBCによれば、トルコ議会がシリア国内での軍事活動を承認した後、レジェプ・タイップ・エルドアン首相(Recep Tayyip Erdogan)は戦争を始めるつもりはないと言いました。
エルドアン首相は、この承認は純粋に抑止のためであると言い、この決定が試されるべきではないと警告しました。何千人ものトルコ人がシリアとの戦争に反対するために集まりました。トルコ議会は木曜日に320対129で、シリアに対する越境活動と空爆を承認する法案を1年間の期限付きで通過させました。
シリアの国連特使はトルコの報復攻撃でシリア軍兵士2人が負傷したと言いました。
エルドアン首相は木曜夕方の記者会見で「我々は平和を安全をなにより望んでいます。我々は戦争を始めるようなことにまったく関心はありません」と言いました。しかし彼は「トルコ共和国は国民と国境を守る能力がある国家です。何者もこの問題での我々の決定に挑戦し、試そうとしてはなりません」と付け加えました。
予想通り、トルコは事態の悪化をこれ以上望んでいませんでした。
毎日新聞は比較的正確に事実を伝えていますが「シリアによるこれ以上の『挑発』を抑止するのが狙いと見られる」という部分は疑問です。シリアにトルコを挑発する意図はなかったと、私は考えます。言うまでもなく、国家転覆を狙う内乱が起きている国が、隣国との戦争を望むとは考えられません。すでにシリアからトルコには謝罪があったとも報じられています。また、トルコとシリアの国境付近には非武装地帯を設けて、難民を受け入れるべきとの意見が出ている状況です。シリアがトルコ領内を攻撃すれば、自国の安全を図るためにも、トルコがこの案に乗ってくる可能性もあります。シリアはそれを促進するような活動は慎みたいところなのです。
今後、トルコはシリアからの攻撃があれば、砲撃や空爆で反撃し、地上部隊を越境させるかも知れません。こうした行動は、事前にどの程度の内容にするかも検討されているのです。たとえ、地上部隊が越境しても、長期間シリア領内に留まって、事実上の領土にするようなことはありません。
また、トルコ国民に戦争反対の動きが出ている点にも驚かされます。自国内が直接攻撃されるような事態でも冷静さを保てるのは、陸続きの国の特徴でしょう。
ところで、今朝のNHKニュースでも、米海兵隊のオスプレイが基地外でモード転換を行っていると報じています。昨日、私が紹介したとおりです(記事はこちら)。地元沖縄は、こうした協定違反を止め、離着陸時は固定翼機モードを使うよう、日本政府に要請していくべきです。
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