2014年以降のアフガン軍の給与問題

2012.2.4


 military.comによれば、NATO軍の防衛大臣は金曜日に2014年に責任を負った後で、拡大しているアフガン軍の給料を払うという問題に取り組みました。

 貧困国のアフガニスタンには60億ドルと見積もられる年間予算を払えないため、NATO諸国はその大半を支払わなければなりません。しかしアメリカとヨーロッパの経済危機による緊縮政策と予算削減は支払いを難しくしています。

 イギリス国防大臣、フィリップ・ハモンド(Philip Hammond)は、「アフガン軍の長期的な規模がどれほどになるか、異なる国際社会の様々なメンバーの中でどうやって支援費用を共有するか。ここで始まる議論があり、シカゴへつながります」という2つの問題を検討するだろうと言いました。NATO諸国28ヶ国と関係国22ヶ国が参加したブリュッセルでの2日間の会議は5月にシカゴでNATOサミットの下準備となるはずです。

 アフガン軍・警察は2014年までに約350,000人以上になる計画です。しかし、軍は費用を節約するために安全に約250,000人へ削減できるという者もいます。タリバンは約20,000人の軍を擁すると見積もられています。

 シカゴでも取り組まれる未解決の関連問題は、残存するかもしれない米軍とその他の外国部隊の数と彼らが割り当てられる任務が何かです。

 レオン・パネッタ国防長官(Defense Secretary Leon Panetta)は、水曜日に米軍とNATO軍は2013年中〜後期に戦闘から支援へと役割を切り替えるだろうと言って物議を醸しました。彼はこれは、2014年末までにすべてのアフガンの州が政府統治に置かれるという2010年11月に発表したNATO軍の目標に合致した自然な転換だと言いました。この表明までNATO軍は、大半の軍が撤退する2014年末まで主導的立場のままだと考えられてきました。パネッタ長官は、NATO軍にアフガン軍が2013年中に全土で戦闘の役割を果たし、国際部隊は支援的役割へシフトすることを望むと説明したと言いました。これはアフガンが米軍と外国部隊の支援を受けて攻撃的活動の大半を担うことを意味します。彼の表明はワシントンの共和党議員の一部に、オバマ政権がタリバンへ愚かにも意図を伝えたという不満を出させ、さらにパネッタ長官の意図を理解しようとしてたくさんの混乱した声明を引き起こしました。木曜日のNATO会議でこの問題について尋ねられ、パネッタ長官は、一端支援の役割に入った米軍は戦闘態勢のままで、自分自身を守る用意はするものの、アフガン軍が戦闘の大半を行うよう権限を与えることに集中すると言いました。彼は米軍の特殊作戦軍は特定のテロリストの目標を追跡するためにアフガンに残るだろうと指摘しました。


 パネッタ長官の発言は記事になっていましたが、紹介していませんでした(記事はこちら)。

 しかし、パネッタ長官の発言はそれほど大きな問題ではなく、この程度のことを公表したところで、大した影響はありません。電気のスイッチみたいに、今日からアフガン軍が全権を掌握というわけにもいきませんから転換期間は必要なのです。むしろパネッタ長官の発言は現実的な印象を受けます。敵にこちらの意図を伝えないというのは、多くの場合、戦術面での話です。戦略的な動きはどうしても先に伝わるものであり、それで敗北する訳ではありません。

 それより、アフガン軍に給料を払い続けられるかを検討すべきでしょう。以前に発表された豊富な地下資源は開発できたのでしょうか?(過去の記事はこちら)。これはNATOサミットだけでなく、各国政府が膝をつき合わせて話し合うべきことでしょう。

 それから、日本もアフガン警察の給料を出しているのですから、応分の負担を求められる可能性もあります。



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