イスラエル首相:数ヶ月以内にイラン空爆可能
military.comによれば、イスラエルのビンヤミン・ネタニヤフ首相(Prime Minister Binyamin Netanyahu)は、イスラエルが数ヶ月以内にイランの核施設を攻撃できると言い、「戦争にならないことを願う」とつけ加えました。
「我々はストップウォッチを手にして立っているのではありません」と、彼はアメリカから帰国後にイスラエルTVのインタビューで言いました。「それは数日や数週間、数年間という問題ではありません」とネタニヤフ首相は言いました。外交的、経済的制裁が機能すれば素晴らしいことだと、彼は言いました。しかし、「結果はイランの手中にある核兵器の脅威を取り除くことでなければなりません」と彼は言い、イスラエルは「存在する脅威……イスラエルの文明が破壊されたり大幅に制限される可能性による脅威」に直面していると断言しました。
国連武器査察官が支援する米、イスラエル、欧州の当局者は、イランが核兵器を造ろうとしていると主張します。テヘランは核開発計画は平和的な民間の用途だけだと主張します。
イスラエルは繰り返してイランに核兵器の能力を持たせないと言い、最後の手段としてイランの核施設に対する軍事攻撃を行うオプションがあると断言しました。ホワイトハウスのジェイ・カーニー広報官(Jay Carney)は木曜日に、「私の理解では、イスラエルは(オバマ政権に)彼らがこの種の行動を取る事について決断をしていないことを明言しました」と言いました。カーニー報道官は、今年中に攻撃しないという約束と引き替えに、オバマ大統領がネタニヤフ首相に攻撃を指示する暗黙の了解を示し、堅固な目標を貫通したり、地下深く埋められた目標を狙うように設計された最新の「バンカーバスター」のような兵器を提示したというイスラエルの新聞の報道を否定しました。「そういう合意が提案されたり、なされたことはありません」。
ワシントンがイスラエルにベイク軍の新型精密誘導、14トンのバンカーバスター「GBU-57A/B」を提供したことを否定するかと問われると、カーニーは「私は単に、大統領が行った会議でそうした合意が議論されたり、なされていないというのが私の理解だと言っています」と言いました。
「私は戦争がまったくなくて、イランへの圧力が成功することを願っています」とネタニヤフ首相は言い、イランが核開発計画を止め、テヘランの南西90マイルにあるコム(Qom・kmzファイルはこちら)のウラン濃縮施設を解体して欲しいと思っていると言いました。「それは私を最も幸せにします」「私はすべてのイスラエル国民が幸せになると思います」。
このネタニヤフ首相の発言から、まだイスラエルは攻撃の決断をしていないと考えられます。というのも、攻撃をしようと思えば可能なのに数ヶ月で準備ができるというのは大変に不自然なことだからです。つまり、まだイスラエルも外交段階での解決を捨てていないわけで、それはオバマ政権が攻撃に賛成しなかったことを暗示しています。
オバマ大統領が攻撃に賛成しないのは、今年大統領選挙があるからだと見るのは感心しない見解です。何年も前からイスラエルがイランを攻撃する可能性は言われてきましたから、いつ起きてもおかしなことではないのです。イスラエルは大統領の都合まで考慮には入れないでしょう。現政権はすぐに軍事オプションを選択するような政権ではありません。実際、イラン空爆を主張する保守派に対しては、「戦争の太鼓を叩く者」というレッテルを貼って反論するキャンペーンを行っています。
コム周辺のウラン濃縮施設とされる基地は2ヶ所あり、Globalsecurityはその1ヶ所の写真を公開しています(関連ページはこちら)。この写真は2009年1月に撮影されたもので、Google Earthでは現在、2011年8月に撮影された写真が見えます(kmzファイルはこちら)。
Globalsecurityはこの施設を次のように説明します。この施設にはコンクリートを強化するための棒鋼が見られ、大きさは120m×45mです。フットボール競技場規模の採掘は大きさにおいて、2005年の写真には見られない採掘土の山と一致し、それはこの採掘土がこの採掘を反映したものであり、より大きな地下トンネル施設がないことを示唆します。5,000平方メートルを少し越える面積、ナタンズ(Natanz)のウラン濃縮施設の床面積と遠心分離器の数に基づくと、この施設は大きさで2009年9月25日に米政府が報告した3,000台の遠心分離器に一致します。
コム周辺にはさらにもう1ヶ所、ウラン濃縮施設とされる場所があります(kmzファイルはこちら)。いずれも地下に続くトンネルの入口があり、地下施設があることを示唆しています。
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