光明星3号は気象観測が目的?

2012.3.27


 時事通信によれば、北朝鮮の朝鮮中央通信は26日、北朝鮮の衛星打ち上げについて、「農業をはじめ人民経済部門に必要な天気予報の研究で大きな一歩を踏み出す歴史的出来事になる」と主張しました。

 この声明に北朝鮮の科学者は関係していないのかも知れません。極軌道衛星を気象衛星として使うこともできますが、先に静止衛星を打ち上げ、広域の気象観測を行うのが一般的です。極軌道衛星は任意の地点の気象を1日に2度観測する仕組みで、国全体の気象を把握するのには向いていません。特に天気予報のためなら、周辺地域全体の雲の写真が役に立つはずです。北朝鮮は自国の研究は他国と内容が違うと言うでしょうが、説得力はありません。でも、静止衛星を打ち上げる軌道ではないので、こう言うしかないのでしょう。

 ところで、「事実上の長距離弾道ミサイルである『衛星』の打ち上げ」とは、今回の報道に見られる新しい言い回しです。前より正確に書いたつもりで、逆に不正確な印象もあります。衛星は軌道投入に成功することで正否が判定できますが、弾道ミサイルは狙った場所に弾頭を落下させることでそれが判定されます。北朝鮮がその確認調査をしているかが確認されたら、弾道ミサイルだったと断定されます。つまり、弾道の確認用に船を出しているかどうかです。しかし、着弾する場所を調べるために弾頭を落下させれば、それは各国に探知されます。これによっても確認が取れるわけです。その段階で初めて、事実上の長距離弾道ミサイルだと批判できることになります。

 日本政府が破壊阻止命令を出すという記事がmilitary.comに載りました。読売新聞の引用で、ごく短く、特に目新しいことはありません。

 そういえば、東京で開かれる桜を見る会が、テポドン2号の打ち上げで中止されたと聞きます。過剰反応としか言いようがありません。


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