光明星3号の重量は100kg?
北朝鮮のロケット打ち上げに関する情報がいくつかあります。
space-travel.comによれば、北朝鮮がロケットに給油を始めたと東京新聞が報じました。
韓国国防省は木曜日の報道にすぐにコメントせず、この日に後刻記者会見を開く予定でした。韓国軍は燃料がロケットに給油されている情報はないと言いました。北朝鮮は人工衛星が穀物収穫量の見積もりや気象観測だけでなく、森林の範囲や天然資源も調査すると言います。北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会の匿名の高官は、人工衛星の重さが100kgで、高度500kmの太陽同期軌道に乗り、動作期間は2年間だと言いました。
TBS系ニュースでは、衛星写真で発射台付近で車両の動きがあり、タワーのクレーンが動いていることが確認されたということです。私はタワーの上にはクレーンはないと思っていましたが、小さなクレーンが取り付けられているようです。ロケットが据え付けられていることは確認できず、この記事は勇み足かも知れません。
100kgというのは、人工衛星としては信じられないほど軽いという印象です。これでどれだけの装備を搭載できるというのでしょうか?。日本の地球観測衛星「いぶき」の重量は約1,750kg、「Aqua」は約3,100kgとされます。こんなもので大騒ぎする方がおかしいとの印象です。
「週刊朝日」の4月6日号の「北朝鮮ミサイル発射、なぜ南? 正恩氏に垣間見える『弱気』」にはありがちな間違った見解が書かれています。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏の「4月15日は故・金正成主席の生誕100周年で、大規模な祝賀行事が予定されている。父親が熱を入れていた衛星打ち上げを成功させ、花を添える演出だろう」という意見は妥当と思われます。人工衛星の軌道投入はどうでもよいのです。ロケットを発射する映像を国民に見せて、「我々はまだまだやれる」と思わせられれば、北朝鮮にとっては成功なのです。ですが、「正恩の指導力を誇示し、新体制を固めたいのでは。長距離ミサイルの発射は2月の米朝合意で一時停止と決まったばかりだが、衛星なら問題ないという発想と思われる」には疑問を差し挟む余地があります。衛星に見せかけるやり方は2009年の打ち上げの際に機体を白く塗り、他国の衛星ロケットに似た外観にしたことで実行済みなのです。それでも各国から反発を買ったわけで、これを北朝鮮が理解しないわけはありません。
岡崎研究所の金田秀昭理事の見解は完全に誤りです。「衛星は東向きに発射したほうが地球の自転を利用できるので軌道に乗りやすい。09年のテポドン発射も東向きだったが、今回の発射は南向き。東に位置するアメリカを刺激しないための配慮だろう」。南に向けるのは極軌道衛星の打ち上げるためであり、それは東倉洞発射基地が完成したことを示すお披露目なのです。これにより、北朝鮮が静止衛星と極軌道衛星の両方を開発する段階に達したことを世界に実証できることが重要なのです。アメリカを刺激したというのはマスコミが作り上げた話であり、米政府は万一の場合を考えて、口で攻撃しただけのことです。アラスカを狙ったという話は、その軌道ではテポドン2号が中国やロシアの領空を侵犯するので無理なことが分かっています。次にハワイを狙ったという話も理由が不明です。そもそも、ロケットを打ち上げて他国の領域内に落下させるような不作法は紛争の原因でしかありません。そんな紛争を一番やりたくないのは北朝鮮なのです。本格的な戦争をする自信は北朝鮮にはありません。
記事の結論には「亡き父の手法を彷彿とさせる"ミサイル外交"の中にも、若き指導者の微妙な"弱気"が垣間見える。」とあり、完全に読者を誤導しています。
それよりも気になるのは29日付の朝鮮日報が「北朝鮮空軍が2月以降、1日に最大650回の飛行訓練をするなど、訓練を大幅に強化している」と報じた点が気になります。「韓国軍機が緊急発進する地点まで南下」「政府筋の話では、北朝鮮は毎年この時期に冬季訓練をし、1日300〜400回の飛行訓練をしている。しかし、韓国の1日の訓練回数の700〜800回に近い650回は異例で、戦時用の備蓄燃料を使っている可能性もある。」ということの目的について、記事は「新指導者の金正恩氏が1月に空軍部隊を相次いで訪れた後に飛行回数が急増しており、同紙は軍が正恩氏への忠誠心を誇示しようとしている」と書いています。
燃料不足がいわれる北朝鮮軍がここまで飛行訓練をする理由は、あるいはロケット打ち上げに関連しているのかも知れません。ロケット打ち上げに関連して、韓国軍が海中に落下した機体を回収しようとした場合、それを航空機で妨害するようなことを考えているのかも知れません。
先に書いたように、明日の朝は記事が更新できない見込みです。よろしくお願いします。
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