元米政府高官がオバマ大統領に意見広告
military.comによれば、元軍高官、情報局員、国務省職員がワシントン・ポスト紙に、オバマ大統領に核兵器を開発しようとしているイランを攻撃するよう求める政治的、ロビイストの圧力に主張を曲げないように訴える意見広告を掲載しました。
退役将軍5人、上級情報分析官2人、国務省高官が書いた当初は、そうした攻撃に対して警告する現役・退役の国防当局者の写真と引用文が添えられていました。「政治的スペクトラムの保守的な部分に、軍事的オプションに先に手を伸ばし、他を後回しにするという国家的な兆候があります」と、2003〜2004年にイラクで同盟軍支援訓練チームを指揮した、ポール・イートン陸軍退役少将(retired Army Maj. Gen. Paul Eaton)は言いました。
オバマ大統領と政権のその他のメンバーは、経済制裁によってイランの核兵器の開発を止めさせることができると考えています。「我々は大統領と、経済的な努力にイラン人の行為を導かせるようできる限りの余地を取る手法を保証する人たちに与える必要を感じます」とイートン少将は書きました。
「大統領閣下:イランとの戦争は選ばないと言ってください」というヘッドラインの広告は、ワシントンに拠点を置く非党派・非営利組織、イラン系アメリカ人評議会(the National Iranian American Council: NIAC)が後援しました。そのウェブサイトによれば、NIACはイラン政府を支援しませんが、イラン政府に対応する場合、戦争よりも外交をより好みます。「アメリカの国益に有害で、現在のイラン政府の統治を長引かせるので、NIACはアメリカとイランの戦争に反対します」と、この団体は言います。
以下は広告に署名した人たちの名前です。日本語に直す時間がないので、そのまま掲載します。
retired Army Lt. Gen. Robert G. Gard Jr.:chairman of the Center for Arms Control and Non-Proliferation
retired Marine Gen. Joseph Hoar:former CentCom commander and now on the board of the Middle East Policy Council
retired Army Brig. Gen. John H. Johns:a retired combat arms officer who taught National Security Strategy and Decision-making at the National Defense University
retired Army Maj. Gen. Rudolph Ostovich III:former vice director of the Joint Staff
Thomas Fingar:former deputy director of National Intelligence for analysis
Paul Pillar:former CIA national intelligence officer for Near East and South Asia
retired Army Col. Lawrence Wilkerson:who was chief of staff to Secretary of State Colin Powell
時間がないので記事の前半部分を紹介しました。
私は現在のところはアメリカのイランへの軍事介入は可能性が低いと思っています。イランに介入すると、新しい戦争を引き起こすことになり、その戦争を短期間で終わらせる手段は米軍にはありません。この戦争は核施設をすべて空爆しても終わらず、地上軍を派遣する必要があるからです。そんな大規模な戦争をする余裕はアメリカにはありません。イランはアフガニスタンよりも広いのです。
「軍事的オプションに先に手を伸ばし、他を後回しにするという国家的な兆候」という指摘は本当に重要だと思います。アメリカはとかく性急に戦争に足を突っ込みたがります。その方がすばやく事態に対処したように思え、選ばれやすいのです。しかし、軍事的オプションは戦争に勝つまでは止められない場合がほとんどで、その為に確実に勝てる場合以外は選ぶべきでないものでもあります。イランと戦うことは、再び半永久的な戦いに参加することを意味しており、武力制裁を選ぶことは賢明ではありません。
オバマ政権が掲載制裁を中心にした圧力から逸脱することは考えにくく、この意見広告はむしろ米国内の保守層への警告かも知れません。
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