軍服で候補者を支持した兵士が解任を免れる
military.comによれば、米陸軍は軍服を着て大統領選挙候補者ロン・ポール(Ron Paul)を支持したジョジー・T・トーセン(Jesse D. Thorsen)を軍規に違反したと決定しましたが、解任はしませんでした。
陸軍はトーセンが公式の立場や軍服を着て政治的なイベントに参加してはならないとする規則に違反したと決定しました。陸軍予備役広報官、エンジェル・ウォレス(Angel Wallace)は、戒告状がトーセンの人事ファイルに記録されたと言いました。トーセンは電子メールによるコメントの要請を拒否しました。
軍の反応は早く、陸軍予備役はトーセンが単独で政治的な提携と信条を表明したとして、調査を始めました。陸軍はトーセンが2004年12月に散弾銃やその他の物を盗むためにフォートマイアーズ(Fort Myers)の民家に押し入ったことに関係して有罪判決を受けたという報道記事も把握しました。金曜日に公表された声明はトーセンの犯罪歴を述べず、彼の階級は技術兵だと発表しました。トーセンは自身を伍長と言っていました。調査官はトーセンが伍長に昇進したという書類を見つけられませんでしたが、陸軍予備役の声明は彼は技術兵であり、降格していないと言いました。
「将校なら戒告状は軍歴の終わりです。下位の階級では、それを克服することができます」と元陸軍法務官で、現役・退役兵士を弁護することが多い弁護士事務所のグレッグ・リンキー(Greg Rinckey)は言いました。「より大きな問題は、軍服を着て政治集会に行かないということです。それは不適切なので、必ず問題になります」。
トーセンは2001年にフロリダ州の州陸軍に入隊し、それから陸軍予備役に入隊するためにイリノイ州とコロラド州の警備部隊に転属しました。彼はデモイン(Des Moines)の工兵中隊のメンバーとして、2009年にアフガニスタンに派遣されました。彼の部隊はイリノイ州、ダリエン(Darien)の第416戦域工兵コマンドの傘下にあります。
ポール候補の選挙本部は金曜日にコメントしませんでした。リンキー弁護士は候補者や彼の側近はトーセンをスポットライトの中に置いてはいけなかったと言いました。しかし、アイオワ州のポール候補の選挙事務所のドリュー・アイバーズ(Drew Ivers)は1月に、ステージにあげる前にトーセンは軍規を理解していたと言いました。「それはロン・ポールの立候補に対する支援を表明したがった熱心な支援者による即興的な出来事だと思います」「アイオワ州の政治と共和党の予備選挙の過程における些細な出来事でしかないと思います」。
この事件は先に紹介していました(記事はこちら)。
記事にリンクされているビデオ映像では階級章ははっきりとは見えません。しかし、確かに伍長ではなく、技術兵の階級章のように見えました。
階級詐称(?)とか犯罪歴とか、多少気になる点はあるものの、陸軍はトーセンを首にはしませんでした。しかし、今回の件や犯罪歴発覚で、今後の昇進は難しくなりそうです。技術兵は兵卒の最上位で、伍長は下士官の最下位です。下士官の方が格好がつくと思ったのかも知れませんが、こういう行為は信頼を失う原因になります。第一、階級章を見れば、本当の階級は分かってしまいます。軍紀の話が軍紀からトーセン個人の資質の話へ変わってしまった印象です。
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