離反将軍がシリアを語る

2012.9.11


 BBCによれば、アサド政権から離反したマナフ・トラス将軍(Gen Manaf Tlas)はフランス軍が彼の出国を助けてくれたと言いました。

 彼は共和国防衛隊の第10旅団を指揮するだけでなく、彼の父親のムスタファ・トラス(Mustafa Tlass)は30年間国防大臣を務め、アサド大統領の父親のハーフェツ・アル・アサド(Hafez al-Assad)の親友でした。

 助けた人たちを危険にさらすため、トラス将軍はどのフランスの組織が彼の脱出を支援したかを正確に特定しません。彼は自由フランス軍も彼の脱出を助けたと言いました。

 彼は圧力の下にあるアサド政権が限定的な地域で化学兵器を使いかねないと警告しました。「彼らが戦車と軍用機を民間人に対して使うのなら、彼らが化学兵器を使わない理由は何もないでしょう?」。シリアは危険な十字路の上にあるとトラス将軍は警告し、国際社会にシリアがこの危機から抜け出るロードマップを起草することにすべての努力を集中するよう訴えました。しかし、彼は「もちろんシリアへのどんな外国の干渉にも反対します」と言い、シリア国民は彼ら自身の勝利を達成しなければならず、国際社会は革命のための新しい戦略を立てることで援助できるだけだと言いました。

 トラス将軍は彼の離反が出国のずっと前に始まったと言いました。「革命の3ヶ月目に私は政権から離脱しました」「私はデモ参加者と反政府派と会い、彼らの要望を聞き、体制に変わる用意はないと感じました」「私は反政府派に嘘をつき、近道を探していると感じました。私はオフィスへ引っ込み、誰の話も聞かず、離脱して反政府派を支援しようと決めました」。

 トラス将軍は彼が会った多くの反政府派は、本当に人道的な要望を求めた結果、拘禁されるか、殺されるか、拷問されたと言いました。彼は元友人のアサド大統領にシリアの繁栄のためでなく、彼の家族のために権力の座を放棄するように訴えたと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 トラス将軍については以前に記事を紹介しました(記事はこちら)。前の記事では、彼の階級は准将となっています。

 なかなか興味深いインタビューです。トラス将軍がどんな気持ちでいたかはこれまであまり報じられてきませんでした。

 彼が反政府派と会ったのは、政府との仲介役を彼が務めたことを意味するのでしょう。個人的に会ったのなら政府に対する裏切りであり、すでに政権に拘束されているはずです。多分、アサド政権は会談に出てきた者を捕まえ、殺害し、そのためにトラス将軍は自分の立場に嫌気が差したのだと思われます。

 トラス将軍の心境が分かった点はよいのですが、裏付けはとれません。わざわざ嘘は言わないとは思いますが、軍事について考える時、確認できない事実を根拠とするのは嫌な感じがするものなのです。

 トラス将軍は離反したとはいえ、新生シリア政府には参加できないでしょう。あまりにも現政権の深い位置にいた人物だからです。そこで、彼の役目はこういうインタビューで反政府派の正当性を訴えていくことになります。

 明日からしばらく、出先から記事を更新することになります。準備は整えていますが、うまく更新できるかはやってみないと分かりません。問題ないとは思いますが、うまく行かない場合は更新ができないかも知れません。



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