北朝鮮がテポドンを弾道ミサイルと自認
読売新聞によれば、北朝鮮の金正恩第1書記は1日午前、国営テレビやラジオを通じ、施政方針演説に当たる「新年の辞」を発表しました。
その中で、金第1書記は「衛星を発射して、軍事優先朝鮮の威容をとどろかせた気勢で、今年は、経済強国建設と人民生活向上に決定的転換を起こさねばならない」と述べました。
記事は一部を紹介しました。
これには笑いました。私はテポドン2号を弾道ミサイルと呼ぶのを控えて来ました。それは構造的に宇宙ロケットと変わらないものを弾道ミサイルと言えば、際限のない論争をする必要があると考えたたからです。だから、弾道ミサイルと断定する日本政府の姿勢も批判してきました。北朝鮮に足をすくわれる恐れがあるからです。
しかし、「新年の辞」により、弾道ミサイルであることを北朝鮮が自ら認めた形になりました。今後は遠慮なく、テポドン2号を弾道ミサイルと呼べることになったのです。日本政府も「事実上の弾道ミサイル」という奇妙な表現は使わなくてよくなりました。
その上での実感ですが、テポドン2号は兵器としては、現段階でまったく能力が低いということを言わざるを得ないことに気がつきました。
大型ミサイルを開発するよりは、globalsecurityが指摘するように貨物船のコンテナにノドンミサイルを隠し、船でアメリカ近くまで運んで発射する方が、遥かに安上がりです。(関連記事はこちら)
ここで、核兵器が使えない兵器であることが露呈します。核兵器はむしろ、持っていることを相手に示す、示威行為なしには、力を発揮しないのです。まず、様々な実験を行って、核ミサイルを打ち上げる能力を持っているところを示さないと、核による恫喝外交もできません。
もし、アメリカを秘密のノドンミサイルで攻撃したら、アメリカは確実に報復に立ち上がります。そうするよりも先に、核攻撃の能力を持っていることを示さなければならないのです。それがテポドン2号の打ち上げ計画です。
そういう意味では、テポドン2号はアメリカの脅威としては、実力が追いついていません。ノドンミサイルに搭載できる程度の小型核爆弾が開発されることが、アメリカにとって最も危険ということになります。
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