将官を含むシリア軍兵士と家族40人が離反

2013.1.3


 alarabiya.netによれば、火曜日に将官を含む約20人のシリア軍兵士が離反してトルコに逃げました。

 彼らは数百人の元シリア軍兵士に加わりました。匿名の関係筋は「トルコに逃げた兵士には、将官1人、大佐3人、その他の将校数人を含みました」と言いました。

 離反者とその家族を含む約40人の人びとがトルコ南部のハタイ州(province of Hatay)へ越境しました。彼らは、政府軍離反兵士を収容するアペディン(Apaydin)難民キャンプへ連れて行かれました。


 記事は既知の部分を除いて紹介しました。

 先日、空軍基地の司令官らが離反したとき、私はこういう離反が続くかどうかに注目が必要だと書きました(関連記事はこちら)。地方基地の離反は、その基地の備蓄涸渇に関連がある可能性があると考えられるからです。特に、厳しい冬に入っており、中央からの補給がなく、備蓄物も涸渇したとなると、地方基地の隊員は家族を連れて出国するしかありません。そうだとすると、今後、立て続けに政府軍兵士の離反が起きる可能性があります。そうなれば、反政府軍は不要になった兵士をダマスカスへ向けた進撃に振り分けることができます。

 この離反者の人数も知りたいところですが、トルコ政府は正確な数字を把握していない模様です。

 離反した兵士は、家族を安全な場所に置くと、自分たちは内戦に参加しようとするでしょう。シリアに戻って自由シリア軍都と共に戦うか、トルコ国内で後方支援、情報収集などの活動に従事できます。一定の規律が維持できるなら、国際社会は、こうした離反兵士に武器を渡して、戦力増強を狙うことができます。

 シリア軍総崩れの基礎ができつつあると言ってよいと思います。


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