アレッポの主要指揮官が空襲で死亡

2013.11.19


 BBCによれば、木曜日、アレッポ州(Aleppo)の反政府派空軍基地への空襲で受けた傷で、シリア反政府派の上級指揮官、アブドル・カディル・アル・サレハ(Abdul Qadir al-Saleh)が死亡しました。

 リワ・アル・タウヒッド隊(Liwa al-Tawhid)の指揮官だったサレハは夜間に死亡したと広報官は言いました。リワ・アル・タウヒッド隊はアレッポの反政府軍の主要部隊のひとつで、兵員8,000〜10,000人とされます。

 一方で、シリアのファイサル・メクダッド副外務大臣(Deputy Foreign Minister Faisal Mekdad)と外交団が和平会議について議論するためにモスクワにいます。反政府派の国家連合の代表もモスクワに招かれましたが、事前に約束があり参加できませんでした。月曜の会議は、ウラジミール・プーチン大統領(President Vladimir Putin)とバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)との電話会談に続いて起こりました。電話会談はプーチン氏が2012年に大統領に復帰してから初めてだったとロシア政府は言いました。

 リワ・アル・タウヒッド隊は、アレッポ北部の田園地方の別々の戦闘グループを統一し、2012年7月に結成されました。その後、この部隊はアレッポ市の反政府派攻勢を主導し、いくつかの地域を遅配しました。1月に、この部隊は、大半が国家票連合ではなく、自由シリア軍の最高軍事評議会を認めるイスラム主義グループの同盟であるシリア・イスラム解放戦線(the Syrian Islamic Liberation Front: SILF)に加わりました。

 元はマレア(Marea)のビジネスマンだったサレハは、空襲時にリワ・アル・タウヒッド隊の別の高官、ユーセフ・アル・アッバス(Youssef al-Abbas)、別名、アブ・アル・テイェッブ(Abu al-Tayyeb)と会っていました。アッバスは攻撃の直後に死亡しました。彼が部隊の情報や財務の長であったかは、矛盾するレポートがあります。サレハはトルコの病院へ連れて行かれました。反政府派のアレッポ・ニュース・ネットワーク(The Aleppo News Network)は、金曜日に彼の状態はよいと報じました。しかし、その後、サレハは死亡し、埋葬のためにシリアへ戻されたと、同隊と活動家は月曜日に認めました。

 部隊の政治指導者、アブドル・アジズ・サラマ(Abdul Aziz Salama)が指揮を引き継ぎました。同隊は空襲の後、政府の情報提供者の疑いがある30人を逮捕しました。

 IHSジェーン社のテロリズム・武装勢力センターのアナリスト、チャールズ・リスター(Charles Lister)は「個人として、特にアレッポ地域では、彼はとても重要でしたが、さらに個人として、シリア人の多くが革命を代表する人と感じました」と言いました。「彼は下層の出身で、表面上は信心深くも、非常にオープンでした。彼は異なる性質のほとんどすべてのグループととてもよい関係を持ちました」。彼はサレハの死は、アレッポの反政府軍支配地域で、政府軍の前進への反撃開始を刺激するかも知れないと言いました。

 1週間前、リワ・アル・タウヒッド隊は、政府軍と対決するよう人々に訴える、アルカイダ傘下のアル・ヌスラ戦線を含む5つの反政府グループの市内での活動に参加しました。(関連記事はこちら

 アレッポは、反政府軍がシリア北部の支配を得る攻勢を開始した2012年中期以降、政府軍と反政府軍により半々に分割されています。しかし、過去数週間で、政府軍は街の国際空港周辺を鎮圧し、近くの戦略的に重要な第80基地(Base 80)を奪還しました。政府軍はサフィリア(Safira)とタル・アラン(Tal Aran)も占領しました。損失にも関わらず、サレハは先週、「Opposition Orient Television」とのインタビューで「我らの死体を乗り越えない限り、イランとヒズボラに前進はさせません」。


 記事は一部を紹介しました。

 気になるのはサレハの死よりも、アレッポの戦闘がどうなっているかです。 依然として、政府軍はアレッポに空襲を行えるし、それによって被害も出ているのです。地上での戦闘はどうなっているのでしょうか。

 アレッポ国際空港の戦闘は2月に反政府派が占領したと報じられたのですが、その後、この付近で戦闘が起きていることも報じられました。今回の攻勢で政府軍が奪還したようです。

 正に一進一退で、この政府軍の前進が今後、どうなるのかは不明です。本当に、進展が見えにくい内戦です。


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