イスラエル軍がシリア国内を空爆

2013.11.2


 military.comによれば、水曜日、イスラエル軍の軍用機が港町ラタキア市(Latakia)で、ロシア製のSA-125の貨物を攻撃しました。

 匿名のオバマ政権当局者は、イスラエル軍の軍用機が夜間だったことを認めましたが、詳細は提供しませんでした。シリア政府からのコメントはありません。

 シリア内戦が始まってから、イスラエルは慎重に中立を保ってきましたが、少なくとも今年2回、シリア国内でミサイルの貨物を攻撃しました。シリア軍は報復せず、アサド大統領が今回、行動を起こすかは不明です。シリア軍が内戦で手一杯なので、再び攻撃を避けるかも知れません。

 米当局者によると、1月にイスラエルのシリア攻撃は、ヒズボラへ送られた対空ミサイルの貨物を破壊しました。5月には、イラン製のファテフ(Fateh)-110をダマスカス空港で破壊しました。ファテフ-110は、時速300kmで正確に移動できる最新式誘導システムを持ちます。固形燃料推進体は短時間で発射でき、探知して無力化するのは困難です。イスラエルは、化学兵器、ロシア製ヤーホント(Yakhont)・ミサイル、ロシア製SA-17対空ミサイルをゲームチェンジャーとしてみています。1月の空襲はSA-17を破壊したとみられています。

 シリア人活動家と反政府グループは水曜夜、ラタキアの防空施設内部からとみられる大爆発を報告しました。彼らは悪発の原因は分からないと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 これほど多くの空爆をイスラエルが行っていたとは驚きでした。5月にダマスカス郊外にある研究センターに対する空爆した以外に、輸送中の兵器を狙っていたとは(関連記事はこちら)。 こうした荷物の情報をどのようにイスラエルが入手しているのかは興味深いことです。今回の空爆は防空施設内だったということなので、武器を配置したところを攻撃されたのかも知れません。

 もう一つは、シリア空軍がほとんど反撃できていないことです。侵入を探知できないのか、あえて反撃しないのか。多分、前者でしょう。シリア空軍の衰退が予想されます。

 こうした攻撃はシリア内戦には影響を与えません。イスラエルはシリアを占領する意図はないし、シリアはイスラエルの介入は避けたいと考えるからです。これ以上の発展はないということになります。


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