アラスカに迎撃ミサイル追加から見えるもの
ヘーゲル国防長官が2017年末までに14基の迎撃ミサイルをアラスカ州に配備すると発表した産経新聞の記事の中に興味深いことが書かれています。
追加配備される14基は新型迎撃ミサイルとなる見込みで、現在も米軍が開発を続けている。ただ、昨年12月と今年1月の迎撃実験はいずれも失敗に終わっており、ヘーゲル長官は「完全な信頼性」を得るまで14基を配備しないと述べた。(原文のまま)
2009年に北朝鮮がテポドン2号を打ち上げる準備を始めた際、アメリカは打ち上げれば迎撃すると言い、日本はそれにつられて迎撃態勢を現実に敷いたのに、その後、アメリカは迎撃はしないと態度を変えたという笑い話がありました(関連記事はこちら)。関連記事にある元CIAの専門家、アーサー・ブラウン氏の見解と、私の当時の見解は一致しています。地球軌道上にあがったロケットを撃墜することは国際法上の問題がある上に、迎撃ミサイルの故障で失敗する可能性もかなりあるのです。万一、迎撃に失敗すれば、このシステムが被るイメージダウンは小さくありません。その後の、海外への展開にも影響を与えかねない話です。
2013年の現在でも迎撃ミサイルという兵器には性能上の問題があります。この技術レベルで、2009年に発射できたはずはないのです。これは当時でも分からなければいけないことでした。ハイテク兵器に飛びつきたがる日本は、このことをよく考える必要があります。常に言えることですが、重要な判断は、その時に即時できなければいけないのです。あとで分かったのでは意味がないのです。
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