米英がシリア反政府派に和平会談参加を要求
BBCによれば、イギリスとアメリカが、シリアの反政府派グループが和平会談に参加しないのなら、支援を再考すると警告したと、シリア筋は言いました。
シリア国家連合当局者は、イギリスとアメリカは反政府派が来週のジュネーブに行かなければならないと譲らないと言いました。連合は金曜日に参加の是非を問う投票を行います。
BBCのブリジェット・ケンダル記者(Bridget Kendall)は、公には、イギリス政府はシリア国家連合を見捨てないと主張すると言います。しかし、反政府派にシリア政府との会談に参加するよう合意させることが極めて困難なのは明白だと、彼女は言います。
匿名希望の当局者は、アメリカとイギリスは我々にジュネーブに行く必要があると言っています」「我々が行かなければ、いま彼らがやっている方法で我々を支援し続けないこと、我々が国際社会で信頼を失いということを、彼らは明白にしています」と言いました。他の外国の支援者は同じプレッシャーをかけないと言いました。「フランスは我々に行くように要請していますが、決定がどうあれ、我々と共にあると言っています。これはサウジとトルコのスタンスと同じです。我々がジュネーブに行くことを望むけども、そうしなくても、会議が機能しなくても、あなたたちを見捨てない(と彼らは言います)。当局者は、アメリカとイギリスの政治的支援は連合にとって重要で、彼らの撤退は変化を生むと言いました。しかし、彼はそうした脅しが信頼できるか疑問視もしています。彼は、穏健派の反政府派がいなければ、シリアに残された唯一の選択肢はアサド政権やイスラム過激派になるでしょう。選択肢は何ですか?。シリアには化学兵器を使う残忍な独裁者とアルカイダがいます。我々がいなくて、誰が彼らに対処するのですか?」。
かつて、アメリカとロシアは、和平会談に先立って、局所的な停戦の可能性を議論したと言いました。ジョン・ケリー国務長官(Secretary of State John Kerry)とセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergei Lavrov)は、捕虜交換も検討中だと言いました。二人はジュネーブ会談の準備を討議するために、ラハダル・ブラヒミ特使(Lakhdar Brahimi)と共にパリにいました。ラブロフ大臣とブラヒミ氏はイランが会談に参加しなければならないとも言いました。ケリー長官はイラン政府が参加するには、ジュネーブ第1会議のコミュニケに同意する必要があると言いました。それはシリアに政治的移行を求めています。
記事は一部を紹介しました。
正月が終わったと思ったら、こんな馬鹿げた話を聞くことになるとは思いませんでした。米英の悪い外交が復活したようです。
昨年、米英はシリアの反政府派への支援を約束しながら、大したものを渡さず、シリア政府が化学兵器を使っても軍事攻撃に踏み切りませんでした。このか細い支援を打ち切ると言ったところで、反政府派は動じないでしょう。このセリフを言うには、相当数の支援を行うことが前提になります。ある反政府派指揮官は、武器と弾薬は受け取っていないし、若干の通信キットと戦闘糧食しかもらっていないと言いました(過去の記事はこちら)。これは私が予想した支援の中身とはかけ離れていました。
そもそも、和平会議自体、大した成果を期待できないものです。そんな会議に参加を強制される方が迷惑というものです。しかし、ワシントンやロンドンでは、会議の開催にこぎ着けることが、大きな政治敵成果となるのです。それはシリアのためではなく、米英の国内向けのデモンストレーションです。こういう間違った外交手段が横行するようになると、最早歯止めがかけられません。
政治敵解決には必要な前提条件が必要です。それが整わない会議は成功しません。こんな簡単な理屈が分からない人たちが国際政治を担っているわけです。
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