北朝鮮の潜水艦発射ミサイルは短距離型

2014.11.24


 朝鮮日報によれば、北朝鮮が昨年から最近にかけ、東部咸鏡南道・新浦の潜水艦発射ミサイル実験施設(kmzファイルはこちら)で、ミサイルを垂直に発射する射出実験を2〜3回実施した模様。

 潜水艦のミサイルは垂直発射管から水上に打ち上げられた後、空中でエンジンが点火され、発射されるのが一般的。北朝鮮が実施したとされる射出実験は、ミサイルの潜水艦搭載に先立ち開発初期段階に地上で行うものです。

 韓国政府筋は23日「韓米情報当局が昨年から最近にかけ新浦の潜水艦発射ミサイル実験施設を入念に監視し、(北朝鮮が)ミサイルの垂直発射実験を2〜3回実施したことを把握したようだ」と明らかにしました。また「このミサイルがこれまで国内外で報じられた本格的な潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)である可能性は非常に低いとみられる」と伝えました。

 軍当局はこのミサイルについて、今年初めて確認されたKh-35「ウラン」(射程距離130キロ)などの新型対艦巡航ミサイルか、KN-02系列の新型短距離弾道ミサイル(射程距離240キロ)の可能性が高いと判断しています。旧ソ連のSLBMを改造した弾道ミサイル「ムスダン」(射程距離3000〜4000キロ)や「ノドン」「スカッド」(射程距離300〜1300キロ)である可能性は低いとみられます。


 記事は一部を紹介しました。

 先月、衛星写真を見た時の印象と、この記事は合致します(過去記事はこちら)。

 なにより、北朝鮮が核爆弾の小型化に成功した証拠は何一つありません。

 この発射システムは潜水艦が水中から発射するのではなく、浮上してから発射する初期のタイプかも知れません。そうだとすると、脅威はかなり減ります。潜水艦が発見される可能性がかなり高くなるからです。

 こんなものを作るより、2006年に紹介した貨物船に弾道ミサイルを隠す方法の方が、遙かに簡単で、安上がりです(過去記事はこちら)。それをしないのは、搭載できる弾道ミサイルがない可能性すらあると、私は考えてしまいます。北朝鮮はノドンの発射実験をあまりやっていません。2006年のテポドン打ち上げの際に、複数発射したミサイルの中にノドンが混じっていたとされますが、実験の回数が少ないことが気になっています。

追加 過去記事に掲載された元記事のリンクが間違っていたので修正しました。

 


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