ナチス戦犯のブルンナーがシリアで死去
BBCによれば、ナチスドイツの最重要指名手配された戦争犯罪者、アロイス・ブルンナー(Alois Brunner)を追跡する主任調査官は、彼が4年前にシリアで死亡したことは99パーセント確実だとしました。
「法廷で証明できるほどではありませんが、事実だと確信しています」と、ナチ・ハンターのエフライン・ズローフ(Efraim Zuroff)は言いました。
現在102歳のブルンナーSS大尉は、第二次大戦にユダヤ人128,000人を強制収容所に追いやったことで起訴されています。
長年、彼が死んだかは不確実でした。
エルサレムのサイモン・ウィーゼンタール・センター(the Simon Wiesenthal Center)の理事、ズローフ博士は、ブルンナーがダマスカスで死に、埋葬されたことに関する新情報が、中東で勤務したドイツの元秘密情報員から最近手に入ったと言いました。
彼はブルンナーが2010年頃にダマスカスの未知の場所に埋葬され、彼が犯罪を悔いなかった新しい証拠が明らかになったと言いました。
4月にブルンナーは死んだと考えられたために、サイモン・ウィーゼンタール・センターの最重要指名手配リストから削除されました。
ブルンナーはユダヤ人をオーストリアで47,000人、ギリシャで44,000人、フランスで23,500人、スロバキアで14,000人を大半が殺された収容所に送りました。
1950年代に、ブルンナーはシリアへ飛んだと考えられます。
彼はアサド大統領に顧問として仕え、拷問戦術をシリア政府に紹介したと伝えられます。
シリア内戦はブルンナーの墓の場所を正確に知ることを不可能にしたと、ズローフ博士は言いました。
記事は一部を紹介しました。
ブルンナーについては、Wikipediaを参照してください(記事はこちら)。
この記事はシリア政府にとって打撃です。これまで否定してきたブルンナーの存在が確認され、彼が拷問の方法をアサド政権に教えていたことが明らかになったからです。どちらもかねてから主張されてきましたが、イスラエルが確認したことが重要です。
シリア政府は反政府派を拷問し、積もり積もった憤怒が反乱となって、現在に至っています。
欧米では、独裁政権とナチスドイツやアドルフ・ヒトラーを結びつけることがよくあります。リビアのカダフィ大佐もヒトラーを尊敬していたことが指摘されています。
この記事はアサド政権をヒトラーと直結させかねない力を持っています。現に、アサド政権が大量の反政府派を拷問している証拠写真が見つかっています(関連記事はこちら)。
一万人を越えるという虐待の規模の大きさに関わらず、いまではイスラム国の斬首ばかりが取り上げられます。斬首の被害者が西欧人だから、欧米で大きく取り上げられるのです。シリア人の人権がいかに軽く見られているかを、国際社会はもっと認識しなければなりません。理想と違い、国際社会には差別が存在するのです。
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