ホルムズ掃海は集団的自衛権に該当しない!

2014.12.22


 産経新聞の22日付けの記事『集団的自衛権 安保法制に地理的制約なし 政府方針 ホルムズ掃海を視野』には呆れました。

 問題の部分は下記の通り。

 また、集団的自衛権によるホルムズ海峡での掃海活動について、政府関係者は「論理的にはそういうことがありうる」とするものの、首相は「経済的パニックが起きる危険性」など特殊なケースを想定しており、慎重に判断する考えだ。掃海活動の海域が「戦闘現場」に当たらなくても、停戦合意がなければ武力行使に当たることから、実際の掃海活動は停戦発効後の国際協力活動として行われる可能性が高いとみられる。

 安倍晋三総理は、戦時中に掃海を行うと断言していました。そろが非現実的で、実行不可能だということは、かつて当サイトで指摘しました(関連記事はこちら)。

 産経新聞がこう書いたということは、外務省筋などから、この情報を手に入れたということです。政府もようやく間違いに気がついて、こっそりと訂正を始めています。この種の訂正はいつものことですが、マスコミはまったく報道しません。

 停戦後の国際協力活動としての掃海は、サダム・フセインのイラク政府が崩壊した後、海上自衛隊が行っています。つまり、国連の決議前に緊急的に武力を行使する集団的自衛権とは関係がないということです。

 それなのに政府は、この想定を集団的自衛権の問題として議論しようというのです。話になりません。日本の防衛議論は常にこのレベルです。

 


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