日本経済に打撃でホルムズ海峡封鎖へ
毎日新聞によると、安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認を巡る14日の衆院予算委員会で、「武力行使の新3要件」に基づく戦時の機雷掃海について、「機雷による(中東・ホルムズ海峡の)封鎖は日本経済に打撃を与え、多くの中小企業が被害を受ける。3要件で判断する」と述べました。
「経済への影響」を理由に武力行使できるとの答弁で、政府の判断次第で武力行使の範囲が広がる可能性を示しました。さらに自衛隊が戦時に機雷掃海している際、国連決議に基づく集団安全保障が始まっても、日本は武力行使を続けられるとも明言しました。
首相は、攻撃を受けた他国を防衛するために日本が武力行使する条件について、「攻撃国の言動などから攻撃を早急に止めなければ我が国にも武力攻撃が行われかねない状況が、想定される一例だ」と説明しました。
ただし「政府が情報を総合して個別・具体的に判断する」と述べ、▽攻撃国の意思や能力▽日本に戦禍が及ぶ蓋然(がいぜん)性▽国民の犠牲の深刻さ、重大性--などで判断する、とあいまいさを残しました。
その上で首相は、ホルムズ海峡が機雷で封鎖され、日本への原油輸入が滞る事例について「結果として多くの倒産が起き、多くの人が職を失うかもしれない。かつてのオイルショックを上回れば多くの製造業が死活的な状況になる。(武力行使を)選択肢として考えておく必要がある」と指摘。「(機雷掃海が)大規模な戦闘行為に発展したことは今までない」などとも語り、武力行使である機雷掃海に理解を求めました。
日本経済にどの程度影響すれば機雷掃海に踏み切るかについては、「(原油の)備蓄があり、国際的な供給状況がそれほど打撃を受けていなければ新3要件には関わりがない」との認識を示しましたが、「状況を勘案し、総合的に判断していく」と答えるにとどめました。
記事は一部を紹介しました。
軍事オンチの安倍総理が不明瞭な発言を繰り返しているようです。
「戦時に機雷掃海」という表現がはっきりと出たことから、戦時にホルムズ海峡での機雷掃海があり得ることが明確になりました。「(機雷掃海が)大規模な戦闘行為に発展したことは今までない」という総理の認識も明確になりました。以前に述べましたが、ホルムズ海峡での掃海は、戦闘部隊を連れて行かないと無理です。戦時なら、イラン軍が掃海を止めさせようとして攻撃してくるのは目に見えており、これは戦争が終わったあとに行われる掃海任務とはまったく違った戦いになります。掃海が大きな戦闘になったことがないのは、普通、掃海は平時に行うからです。戦時中、敵の射程下で掃海作業を行えると考えるようでは、自衛隊の最高指揮官としての資格はありません。
また、安倍総理の話は早計すぎます。機雷敷設で石油が日本に届かなくなった場合、まず、別ルートでの調達が検討されます。政府と民間の備蓄が180日分ありますから、その間に、別ルートに切り替える作業が行われます。これで問題が解決できる場合もあるでしょう。それでも駄目な場合に、ホルムズ海峡で掃海を行えるかというと、先に述べた理由で無理なのです。まず、イラン空軍と海軍の戦闘力を奪わないと、掃海を安全に行えません。そこをどうするのかという話がまったくありません。
つまり、イラン軍が対艦ミサイルをどんどん撃ってくる最中に機雷掃海を行うという話です。護衛艦をつければ、イラン軍は護衛艦も攻撃してきます。これが小さな戦闘ですか?。イラン軍との全面戦争ではありませんか。
だから安倍総理の意見には反対だと言うのです。
先日紹介したイスラエルのミサイル攻撃警告アプリですが、私はインストールした初日にアプリを削除しました(関連記事はこちら)。やたらと警告音が鳴って、うるさくて使えないからです。警告音をオフにしたつもりだったのに、就寝しようとして電灯を消した直後に、また鳴りました。いつ警報が出るか分からない。これが戦時の生活なのです。日本にはそういう備えもないのに、海外に自衛隊を出すことばかり議論しています。これが普通の防衛論とは思えません。こんなおかしな議論がまかり通るのが、いまの日本です。
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