外務省がアルジェリア称賛へ鞍替え
alarabiya.netによれば、日本の岸信夫外務副大臣は、サヘル地域(the Sahel are)の安定性を増進するためにアルジェリアと協力したいと言い、同国の武装勢力による砂漠襲撃の対処を称賛しました。
中東、ヨーロッパ、アメリカを担当する岸副大臣は、北アフリカ諸国への最初の訪問について話しました。「我々はサヘル地域の状況を評価し、日本はこの地域の平和と安定を維持するために、アルジェリアと密接に協力したいと思います」。
彼は昨年1月にサヘル地域のアメナス・ガス施設(the Amenas gas plant)へのイスラム武装勢力の攻撃への対処を称賛しました。「日本はアルジェリアと活動し、協力し続けます」と岸氏は言いました。
記事は一部を紹介しました。
短い記事ですが、私にとっては爆笑モノでした。外務省は一体いつの間に宗旨替えしたのか。
昨年1月、アルジェリアのアメナスにあるガス施設が武装勢力に攻撃され、アルジェリア軍が突入して、日本人を含む人質が死亡しました。
この時、安倍総理大臣は、アルジェリア政府の判断を批判し、セラル首相に電話をかけて、突入を止めるように言ったと報じられています(記事はこちら)。実際には、アルジェリア軍は交渉役の将校を施設へ派遣し、武装勢力と交渉をしていたことが分かっています。外務省も、公式声明でアルジェリアを非難しました(記事はこちら)。
日本人の人質は事件の初期段階で一部が殺され、残りはあとで武装勢力によって殺されたのであり、アルジェリア軍による突入で死んだのではなかったのです。これは現地に派遣された外務政務官が自民党に報告したことでも明らかです(記事はこちら)。
ところが、この時、アルジェリアを批判した国はなかったのです。フランスのオランド大統領は突入を称賛しました(記事はこちら)
日本の安全保障政策を担う外務省の軍事オンチを象徴するような事件でした。外務省はまずいと感じたのでしょう。しかし、すぐに方針を転換するとマスコミが報道するかも知れません。そこで、1年以上経って、もう記事にはならないという段階になって、こっそりと方針転換を行ったのです。情けないと思うのと、こんな外務省で本当に日本の安全保障は大丈夫かという危惧が同時に押し寄せてきます。
|