ロシアがクリミア半島に兵士を増強か
alarabiya.netによれば、土曜日、ロシアがクリミア半島に兵士を増強しました。
ロシアの外務大臣は、過激派の操り人形だとして、ウクライナの新政府との、いかなる対話をも排除しました。ロシアはクリミア半島でロシア軍が活動していることを否定していますが、AP通信の記者は土曜日の午後、フェオドシヤ(Feodosia・kmzファイルはこちら)の西40kmからシンフェローポリ(Simferopol・kmzファイルはこちら)北部のヴァダイスコ(Gvardeiskoe)の空軍基地(kmzファイルはこちら)へ向けて、ロシアの旗を掲げる軍用車の車列を追跡しました。緑色の軍事車両のいくつかは、彼らがモスクワ地域から来たことを示すロシアのナンバープレートをつけていました。一部は移動キッチンであり、移動医療機材であるように見えました。
クリミア半島のウクライナ軍広報官、ウラジスラフ・セレジョニョフ(Vladislav Seleznyov)は、目撃者は金曜日夜にクリミア半島東部で、ケルチ海峡を越えた後とみられる、約200台の車両を荷下ろしする揚陸艦を見たと報告したと言いました。「機材も空挺兵士もロシア人であることを示す記章はつけていませんが、彼らに忠誠を誓う者たちであることに疑いはありません」。揚陸作戦は、1週間前にクリミアで見られたロシア軍の活動の中で最大のひとつと思われます。
セレジョニョフは、60台以上の軍用トラックが土曜日に、フェオドシヤからシンフェローポリへ向かうのが見られたとも言いました。AP通信の記者は車列に追いつき、ロシアが支配する空港まで追跡しました。車両の後方に、重装備の兵士がみられましたが、所属を特定する記章や階級章は見えませんでした。兵士たちは追跡する記者にツバを吐きました。
ウクライナ国境警備隊の小型機が、クリミア半島の行政境界近くを飛んだ時、過激派から自動火器で攻撃を受けましたが、回避機動を行い、無傷で逃げました。
アメリカと他28ヶ国の国の将校から成る国際軍事派遣団は土曜日、再びクリミア半島に入ろうとしましたが、武装した男たちにより、アルミャンスク(Armiansk・kmzファイルはこちら)で引き返させられました。54人の監視団と共にいるAP通信の記者は、一行が止まった後、武装した男が他の未確認の車を止めるために自動火器を撃ったと言いました。
military.comによれば、ポーランド政府当局者は月曜日、米軍はウクライナ情勢に対応するために、F-16ジェット戦闘機12機と約300人の隊員を同国に派遣したと言いました。一部の戦闘機と隊員は月曜日に、残りは今週中に到着する予定です。
記事は一部を紹介しました。
かなりのロシア軍が増強されている可能性を疑わせる記事です。これまでは装甲車などの車両ばかりでしたが、戦車のような重装備が運ばれている可能性もあります。
補給路はやはり、クリミア半島東部のケルチ海峡方面です。鉄道船だけではなく、船で海峡を越えて、フェオドシヤに陸揚げしているのかも知れません。前に書いたように、クリミア半島に北部から補給路をつなごうとすると、補給路がウクライナ本土に食い込み、ウクライナ軍との直接対決になります。東部からに限定することで、危機を小さく見せながら、ロシア軍を増強できるのです(過去の記事はこちら 1・2)。
住民投票を行うまでに、ウクライナ軍に対する十分な戦力が、仮に外国軍が軍事介入した場合にも備えられる戦力がクリミア半島に集められることになるでしょう。
クリミア半島がロシア帰属を宣言した時、ウクライナ政府がどうするかに、この紛争の行く末がかかっています。大規模な戦いを覚悟してロシア軍を排除するか、クリミア半島を諦めるかです。それぞれの選択肢で、どのような結果になるかは難しい部分も多く、慎重に判断したいと思っています。
今回のように、自国民保護や対テロリスト活動を理由に、非合法な軍事活動が行えるようになったのは、ブッシュ政権がアルカイダに対して行った非合法活動が根拠になっています。本当に悪しき伝統を作ってくれたものだと思います。
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