国防総省がハイテク兵士にも勲章を
military.comによれば、米軍は次回の表彰システムの見直しで、戦場から遠く離れた無人機のオペレーターとサイバー戦士に勲章を与えることを再検討すると、国防総省広報、ジョン・カービー少将(Rear Adm. John Kirby)は言いました。
前国防長官レオン・パネッタ(Leon Panetta)は昨年、無人機とサイバー戦のオペレーターに新しい殊勲戦時勲章を創設すると発表し、それが名誉負傷章とその他の戦闘に関して得られる勲章の上に置かれることに反対する退役軍人、政治家などから激しい批判を浴びました。
チャック・ヘーゲル国防長官は(Chuck Hagel)、就任するとすぐにこの勲章を却下し、国防総省に現存する勲章に添う新しい意匠を創造するように言いました。しかし、この決定は、ヘーゲル長官が木曜日に命じた軍の勲章と表彰システム研究の一環として再検討されました。
6月1日にはじまる一年間続く総合的な評価は、人事・即応担当国防次官、ジェシカ・ライト(Jessica Wright)が率い、彼女は統合参謀本部会議長マーティン・デンプシー大将(Gen. Martin Dempsey)と密接に活動します。
記事は一部を紹介しました。
サイバー戦兵士はプログラマーの集団です。無人機のオペレーターは、当初はパイロットだけが担当していましたが、いまはパイロットではない者も担当するようになっています。こんな人たちが戦闘によって得られる勲章よりも上位の勲章を受勲すると聞けば、「冗談じゃないぜ」という声があがるのも当然です。普通、前線に出ない者は、さほど高位の勲章はもらいません。
しかし、サイバー戦と無人機による作戦の価値が上がってきたので、こういう動きが出てくるのです。他国の政府や軍のネットワークに侵入して、弱点を探っておき、有事にその動きを止められたら、大打撃を与えられます。サイバー戦の活動はほとんど表に出ません。無人機の活動はすでに大きな成果をあげています。誤射の多発という問題も生んでいますが、軍としては、関係する兵士を表彰したくなるのは当然です。特に、無人機のオペレーターは、攻撃対象をモニタ上でクローズアップで見るために、悲惨な現場を目撃し、PTSDになる兵士が出ているといわれています。
以前に紹介したように、名誉負傷章をPTSDの兵士に与えるべきとの意見が出たとき、否定的な意見が出ました(関連記事はこちら)。だから、デスクワークの兵士に高位の勲章を与えるなという意見が出るのは当然です。しかし、時代はそれを必要としているところまで来ているのです。 戦争の複雑化の一端としか言いようがありません。
|