陸軍の徴募用広告に宗教上の問題が浮上

2015.1.20


 military.comによれば、米陸軍の徴募センターは上層部から「神と国両方のための任務を負って(On a mission for both God and country.)」と書かれた歩道のサンドイッチボードを中止するよう命じられました。

 命令は金曜日、昨年10月から野外看板を展示してきたフェニックス(Phoenix)の徴募センターに対して出されました。看板は特殊部隊の記章、レンジャー部隊、空挺部隊、特殊部隊のタブも表示しました。

 「Army Times紙」から陸軍徴募司令部への問い合わせが、サンドイッチボードの即時撤去を促進しました。司令部の広報官は、看板の文面は地元の徴募職員によって取り替えられ、司令部からの撤去なかったと言いました。「手順が踏まれた結果、宣伝文は承認されませんでした」と広報官、ブライアン・リプリー(Brian Lepley)は言いました。

 木曜日、無神論者のグループ「Military Religious Freedom Foundation」の理事、マイキー・ウェインスタイン(Mikey Weinstein)は看板を「恥ずべきポスター」だと言いました。「和が団体は陸軍徴募司令部によって憲法が厳守されたことを喜びます」とウェインスタインは言いました。

 変更される前のサンドイッチボードは「我々は増強を求めません。我々がやるのです(We don't call for reinforcements. We make them.)」と読めます。


 米軍では、時々、こういう宗教上の問題が起こります。当サイトでも何度もそういう問題を取り上げてきました(関連記事はこちら)。

 宗教の自由を掲げるものの、実際には米軍の駐屯地の中には教会があります。軍は隊員の信仰に応じて、各宗教の聖職者を従軍牧師にしますが、需要と供給がずれているとの指摘もあります。

 日本では靖国神社問題があり、保守派はしばしば「靖国参拝は当然」と独善的な態度をとります。しかし、軍隊が生死に関わることが多い組織であることから、宗教との結びつきは強く、そのために信仰に関する問題が起きることがあるのです。「当然」といった単純な言葉で割り切るべきでないことは明白です。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.