誤爆は過去にもなかったのか?
クンドーズ(Kunduz)の病院誤爆事件の報告書については、BBCの報道も先に紹介したmilitary.comの記事とほぼ同じです。その中からワシントンにいるバーバラ・プレット・アッシャー記者(Barbara Plett Usher)の分析を紹介します。
最も驚くべき告白は、司令部に送った目標座標が病院に明らかに近かったのに、軍要員が航空機乗員が誤った建物を砲撃しようとしている徴候を拾うことができなかったことです。キャンベル大将(Gen Campbell)は、失敗に取り組むため即時に変更するよう命じたと言いましたが、長く詳細な誤りのリストは、医師団のように赤旗を掲げるグループを除いて、以前にどれだけの誤った目標が攻撃されたのか、そして、こういったことが再び起こり得るのかということです。将軍がクンドーズでの作戦の疲労と進展の早さを指摘したように、この事件ではこれが特に悲劇に寄与しました。乗員がタリバン司令センターを攻撃していると考えたという事実は、作戦が殺害と破壊を目的に行われたという医師団の主張を説明します。しかし予想通り、報告書は戦争犯罪の起訴については何も述べません。軍報道官は戦争法に関して話すのを拒否し、作戦が米軍の交戦規定に違反したとだけ言いました。
今のところ、AC-130乗員がどの建物と誤認したのかは分かっていません。下の航空写真を見てください。黄色い円は病院を中心に半径450mで描きました。病院の敷地の長い方が150mあるので、それを含めて円を描いた訳です。
①医師団の病院 ②地元病院
③私が最初に誤認されたと疑った建物
④〜⑦はその他の大きな建物
③と④はクンドーズ大学の建物です。⑤はモスク。国家治安局の建物は病院から数百メートルの距離だというのですから、条件に一番合致しているのは⑥です。⑦は少し遠すぎます。もっとも、距離が病院の建物そのものからか、敷地も含めるのかで認識は変わり得ます。「乗員が座標を火器統制システムに入力すると座標はNDSから300メートル離れた開墾地と結びつけられました」という先の記事からすると、⑥が最有力です。この推定は間違っている可能性もあります。⑦だった可能性も捨てきれません。
病院、モスクや学校は最初から攻撃の対象外だったでしょう。⑦は攻撃可能な位置にあると思いますが、⑥は近すぎます。いくら敷地外としても、医師団の職員がいてもおかしくない場所です。建物は病院の中心棟から255mの距離にあり、間違いなく建物に爆弾を命中させても付帯的被害が病院に及びかねない距離にありました。これは到底、攻撃は許されないと考えるべきです。
連日の戦闘で疲れていたとか、離陸前のブリーフィングがなかったとしても、攻撃不可リストは手元にあったはずです。攻撃できない施設は病院だけではありません。攻撃する前に何も確認しなかったのは信じられないミスです。
AC-130が正しい座標を補足しなかったことは、この兵器の潜在的な欠陥かもしれません。そうだとすると、こうした誤りは再び起きる可能性が高いということです。
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