イラク軍がティクリートとアル・バグダッディで前進
alarabiya.netによると、イラク軍がティクリート(Tikrit・kmzファイルはこちら)の南部を奪還し、アル・バグダッディ(al-Baghdadi・kmzファイルはこちら)からイスラム国を掃討しました。
イラク軍はティクリート奪還を狙う攻勢において、金曜日、ダウル(Dawr・kmzファイルはこちら)を奪還しました。 この街はイラク軍と同盟する戦闘員がティクリートに到達する幹線道路の一つの上にあり、前進するために必要です。
サラディン州(Salaheddin)の知事、ラード・アル・ジュブリ(Raad al-Juburi)は、ダウルは奪還されたと言いましたが、陸軍少将は金曜日の午後にイラク軍が街に入った後、定期的な戦闘があると言いました。
イラク軍はティクリートの西にあるアル・バクダッディ(al-Baghdadi)を奪還し、警察署とユーフラテス川にかかる橋3カ所を取り戻しました。 イラク軍とアンバル州(Anbar)の地元民兵は、ハディーサへの道路上にある村7カ所からイスラム国戦闘員を追い出しました。
ジェームズ・テリー中将(Lieutenant General James Terry)は、イラク軍の第7師団とそのコマンド部隊一つが街を奪還するために地元民兵に加わったと言いました。
同盟国は2月22日から3月6日までに街の中と周辺のイスラム国陣地に対して26回の空爆を行いました。また、偵察を提供し、イラク軍司令部に対してアドバイスもしました。
記事は一部を紹介しました。
最初、この記事には一枚の写真と「Iraqi forces cleared ISIS from al-Baghdadi: U.S. military」という説明しかありませんでしたが、その後、大幅に加筆されたので、こちらも記事を更新することにしました。
先日、ダウルが占領できていないとの記事が出ましたが、占領に成功したようです。このように、一部の進展が遅れても、大勢には影響がありません。
ダウル占領で、チグリス川東岸を北上するルートが確保できました。南北からイスラム国を追い詰めるために必要なルートです。
アル・バグダッディの占領はとても重要です。2月24日付けの記事で、イラク軍は簡単にアル・バグダッディを奪還できる、イスラム国にとって意味のない占領だと書きましたが、その通りになりました(過去の記事はこちら)。
米軍がイラク軍を訓練している基地に近い街を占領すれば、こうなることは目に見えています。
これでファルージャ方面とシリア間の補給路が遮断されたことになります。イスラム国がアル・バグダッディを奪還に出てくるかどうかで、彼らの勢力も推測が付きます。
イラクのイスラム国は手足をもがれつつあります。彼らは何もできずに、立ち往生しているように見えます。いわば、イスラム国が打ち立てたビジネスモデルは崩壊したのです。
支配領域を広げられずに終わったアルカイダに対する不満が、イスラム国に対する希望となり、多くの人材が集まったのですが、その軍事的無能さにより、彼らは砂漠に自らを閉じ込めてしまいました。
やはり、テロ組織が国家たらんとして、その領域にこだわると、テロ組織はテロ組織でなくなり、領域の防衛に専心しなければならなくなるのです。従来いわれている「テロ組織と国家の違い」が明確に現れたということです。
テロ組織は強力な軍隊を持ち得ません。誘導型の対戦車ミサイルや対空ミサイル、空軍機はなく、奪った戦車や装甲車程度では、簡単に打倒される軍隊しか作れないのです。先進国が高度な兵器を彼らに売らなければ、彼らは一定の力以上は持ち得ません。
イスラム過激派に残る道は、組織すら持たず、インターネットを使って連携し、世界各地で一匹狼型のテロ攻撃を行うことしかなさそうです。そんなことが可能かも疑問です。
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