米海兵隊訓練基地でいじめが発覚
military.comによれば、カルフォルニア州の女性議員は、サウスカロライナ州パリスアイランド(Parris Island)での海兵隊新兵へのいじめについて衝撃的な暴露に引き続いて、軍隊内でのいじめを調査するために下院軍事委員会に公聴会を開くよう求めています。
民主党のジャッキー・シュパイアー下院議員(Rep. Jackie Speier)は10月24日に委員会議長と有力メンバーに書簡を送り、彼女はまだ明らかになっていない隊員の虐待事件の可能性について懸念しているといいました。
「私は、パリスアイランド海兵隊新兵訓練基地でのいじめと虐待の文化を描いた最近の報道を懸念します」と、共和党のマック・スローンベリー下院議員(Reps. Mac Thornberry)、民主党のアダム・スミス下院議員(Adam Smith)への書簡の中で書きました。
「これらの報道は、兵士の精神衛生を害し、重傷を引き起こし、部隊の団結を減少させ、命さえ犠牲にした、より大きく、蔓延したいじめの問題を示すようです」。
彼女は軍隊が隊内のいじめの完全な範囲を承知せず、国防総省全体でいじめ事件を追跡するのが十分ではないことを見出した2月の政府説明責任局の報告を引用しました。
シュパイアー下院議員は、アンチいじめデータベースとをいじめを認識し対応する改善された訓練を含めた、軍隊がいじめをより特定して追跡する必要がある2017会計年度の国防権限法(National Defense Authorization Act)の修正案を発表しました。
修正案は承認されましたが、議案はまだ可決されていません。
9月に海兵隊が公表した一連の調査は、新兵ライール・シディクイ(Raheel Siddiqui)の自殺は、前年、もう一人のイスラム教徒新兵を工業用衣類乾燥機に放り込んでいじめた訓練教官の虐待に関連することを明らかにしました。
調査はいじめが起こした横紋筋融解症のために同じ大隊の数人の新兵が新兵訓練から脱落を強いられたことも示しました。事実は部隊幕僚によって隠蔽されました。
訓練教官と上級指揮官約20人がこれらの事件に関与したとして処罰される可能性があり、少なくとも数人は刑事告訴されそうです。
これらの決定は、まだ海兵隊により公表されていません。
軍隊のいじめが議会公聴会になったことは最初でありません。
2012年に下院軍事委員会はハリー・ルー伍長勤務上等兵(Lance Cpl. Harry Lew)が戦地派遣中に、他の海兵隊員が持ち場で眠ったことで彼を叱責し、いじめた後で自殺した件で公聴会を開きました。
ルーはカルフォルニア州選出民主党議員、ジュディ・チュー下院議員(Rep. Judy Chu)の甥でした。彼女もまたいじめの説明責任と改革を積極的に推進しました。
記事は一部を紹介しました。
当サイトでも軍隊内のいじめについて紹介したことがあります。中国系の隊員が自殺した理由が、隊内でのいじめだったためと発覚し、関係者が逮捕された事件です(記事はこちら)。
この記事に登場するチュー下院議員も中国系です。甥っ子も中国系であるはずで、どうやら米軍では中国系隊員が冷遇されていることが分かります。
しかし、いじめに対して米軍の対処は明確で、関係者常に厳しい処罰が下されています。犯人への刑事罰はもちろん、上官も指揮の怠慢で処罰されます。 有罪になった場合、軍刑務所への収監、降格や不名誉除隊もあり得て、それまで約束されていた退職金などの恩典がなくなることもあります。
こうした問題に、すぐに政治家が立ち上がり、対処を検討する気風は羨ましいと感じます。日本ではマスコミもろくに取り上げようとしません。
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