マシャル派がクーデターの意図を否定

2016.9.19


 sudantribune.comによれば、レイク・マシャル元第一副大統領(Riek Machar)が率いる武装反対勢力当局者は、サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)の政府による、反対勢力指導者が政権交代戦略の中で暴力を再開するために4月にジュバ(Juba)に戻ったとの主張を虚偽だと否定しました。

 キール大統領は先週、政権交代のための活動をマシャルを運び出す支援をしたことで国連を非難しました。

 彼は国連コンゴ派遣団がマシャルを国境で引き出し、彼の命を救ったために辛辣にもなりました。

 彼は、2013年12月15日に起きた2年間の戦争で成功できなかったとき、彼は昨年8月に、内部からの暴力を含めた政権変更の政策を続けるために和平合意に署名したと言いました。

 しかし、マシャルの当局者はこれは虚偽であり、彼らがジュバに置いた少数の部隊は明らかに、ジュバで戦う計画がなかったことを示していると主張しました。

 「これは虚偽です。我々は戦うためにジュバに戻りませんでした。サルバ・キールと彼のグループはジュバ市内と周辺に重火器、戦車、武装ヘリコプターがある数万人の兵士を持っていて、彼が軽火器を持って僅か1,300人の兵士を首都に持ってきた時に、どうやってジュバ市内でもう一つの戦争をはじめる計画を立てられますか。この主張はまったく意味をなしません」と、マシャルの報道官、ジェームズ・ギャトデット・ダク(James Gatdet Dak, Machar)は言いました。

 ダクは、彼らがジュバで戦闘を計画したなら、マシャルが戻る前に、反対勢力派(SPLA-IO)は合意に認められた兵士少なくとも2,910人全員をジュバに持ってこようとしたか、重火器も共に少なくとも10,000を超える兵士を確保しようとすらしただろうと言いました。

 彼は、マシャルを殺し、和平合意を破棄するために、彼をジュバへ誘い込む計画があったのは、キール大統領と彼のグループだったと言いました。

 「国連の報告書は非常に明白です。7月にジュバでの最近の暴力を命じたのはサルバ・キールとマロン・アワンです。国連の委員会はそれを調査し、キールと彼のグループに責任を課しました」と彼は言いました。

 反対勢力指導者の報道官はさらに、「国連が認めたとおり、2013年12月15日や2016年7月8日のレイク・マシャル博士に対する暗殺未遂や、アメリカに拠点を置く『The Sentry』の最近の報告の中でも認められた汚職であるかに関係なく」、キール大統領と彼のグループは国内でのすべての混乱に責任があると付け加えました。

 マシャルと彼の派閥は4月に、不正な保安体制に関わらず、キールが2年間の戦争の後、暴力的な振る舞いを変えたと思ったのでジュバに戻ろうとしたと、彼は付け加えました。

 しかし、彼は反対勢力グループはキール大統領に、マシャルをジュバに誘い込み、殺害しようとする3回目のチャンスを与えないだろうと言いました。

 「ジュバの暴力の状況は第一に変えなければなりません」と彼は言いました。


 ダク報道官の見解は、7月にジュバで戦闘が起きた後に、私が言ったことと同じです。圧倒的に少数な方がクーデターを起こす訳はないという軍事常識から、キール派の陰謀だと考えられたのです。

 当初、戦闘の規模が小規模なので、大した問題ではないように思えたのですが、その後に出てきた情報から、これが計画的な事件だったことが明らかになりました。正しい判断をくだすまでには数日かかりました。

 この判断ミスは現地に自衛隊がいて、ひどいことになって欲しくないという希望的観測が招いたことを、私は否定しません。7月14日になって、ようやくこれがキール派の陰謀だという認識に立てるようになりました(記事はこちら)。認識は改まったものの、マシャル軍が壊滅したと、事実と違うタイトルを掲げてしまいました。

 実は4月15日に「なんと恐ろしい展開でしょうか。どう見ても、和平が進んでいるとは思えません。進んでいるのは陰謀であり、マシャル抹殺でしかありません。」と自分で書いていたにも関わらず、いざ動乱が起きると判断を間違えてしまいました(記事はこちら)。

 キール大統領がマシャルが持ってくる部隊をできるだけ少なくしようと工作した事実もあったのですから、ことを起こすのはキールの方だということは、もっと早くに結論すべきでした。

 「3回目のチャンスを与えない」という発言は、2度失敗した共同統治は諦め、国連と共に別の方法を考えるという意味でしょう。国連も3回もマシャルをジュバに戻そうとはしないでしょう。考えられる方法はいくつかあります。キール大統領に退陣を求める。退陣を拒否したら、彼らのグループの海外資産を凍結する。金融機関に彼らへの資金援助を禁止する。無人攻撃機で政府軍の重火器を破壊する。その上で、隣国が南スーダンに侵攻して、政府軍を武装解除する。

 という筋書きが考えられます。

 自衛隊の出番はありません。駆けつけ警護なんて求められていませんから。さっさと撤退するのが相当。

 


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