国連安保理が南スーダンに制裁の可能性を警告

2017.2.13


 sudantribune.comによれば、国連安保理は再び最も強い言葉で、南スーダンのエクアトリア(Equatoria)と上ナイル地域(Upper Nile)で継続する戦闘を非難し、民間人への攻撃は制裁の要求を再開し得ると警告しました。

 15カ国の理事会メンバー国は声明で、紛争に関与するすべての側に敵対行為を即時停止するよう求めました。

 理事会によれば、民間人の殺害、性的で性別に基づく暴力、家屋の破壊、部族間の暴力、家畜と所有物の略奪があります。

 安保理のメンバー国は、民間人を標的とすることは戦争犯罪になり得るといい、こうした関与は南スーダンの平和と安定を脅かす行為として、2015年の第2206号決議で遊べるか承認された制裁の対象となり得ると繰り返しました。

 声明は「安保理メンバー国は国家統一の暫定政府に攻撃を行った者に責任をとらせる手段を講じるよう求めました」と述べました。

 国連によれば、84,000人以上が1月初めから南スーダンを逃げ、多くは国内で家がないままです。

 その声明の中で、安保理メンバー国は、政治プロセスが最優先で、紛争に軍事的解決法はないと強調し、南スーダンのすべての派閥に、停戦の実行が、国家的対話を含めた、あらゆる真摯で、包括的な政治プロセスの成功に重要なことを想起させ、そうしたプロセスが南スーダン共和国紛争解決合意が提案する枠組みの基本となるべきであり、国家の再融和の達成と、南スーダンの派閥間の信頼の拡大を目標としました。

 しかし安保理は、民間人を保護する委任事項を実行する努力に対する南スーダン派遣隊(UNMISS)の粘り強さを評価する一方で、民間人を保護し、人道支援の送達を行う条件を作る委任事項を実行するUNMISSの能力を国家統一の暫定政府が損なうという障害に直面し続けることに深い懸念も表明しました。

 一方、南スーダン軍(SPLA)は、国のあちこちでUNMISSが民間人にアクセスするのを拒否したとの訴えを否定しました。

 「SPLAの司令部への通知や要請がないだけです。SPLAはUNMISSに、我々に責任があるアクセスと、疑われる障害に責任がある者への統制上の手段を拒否したことを示す証拠を出すよう求めます」と、SPLS報道官、ルイ・ルアイ・コアング(Lul Ruai Koang)は言いました。

 当局者は強姦、家畜の略奪と所有物の破壊の訴えも否定し、UNMISSに軍指導層が罪人に懲罰的手段をとれるように、具体的な証拠を示すよう求めました。

 彼はとがを受けないことと戦う軍の関与と、国連とその他の監視機構と共に働き、協力し続ける意志と準備を繰り返しました。


 先日紹介したように、キール大統領は平和こそ和平への道だと説き、国家的対話を呼び掛けました(関連記事はこちら)。一見、国連がいうことと方向性は一致しているように見えますが、その国連から戦争犯罪と和平合意違反を指摘される有様です。

 国連は上辺だけの南スーダン政府のやり方に騙されるつもりはないのです。

 首都は平静を装い、地方で反対勢力を弾圧し、監視機構のアクセスを妨害すというのが、これまでに確認されている南スーダン政府のやり方です。

 これが維持される限りは、首都にいる自衛隊は安全かも知れません。しかし、事態がどう動くかは分かりません。また、問題は自衛隊の安全だけでなく、南スーダン全体の平和と考えなければなりません。

 日本政府は南スーダンを利益誘導して、自衛隊を攻撃していないようにしている可能性がありますが、その約束が守られるかも分かったものではありません。

 

 


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