新型弾道ミサイルの発射地点を特定
NNNによれば、北朝鮮の国営テレビは30日午後、精密な誘導システムを導入した新型弾道ミサイルの発射実験とする映像を公開した。29日の弾道ミサイルの発射を指すとみられる。
日本時間30日午後3時40分すぎに朝鮮中央テレビが放送した映像には、移動式の発射台に載ったミサイルが運ばれてくる様子が映っている。その後、ミサイルが炎をあげて上空に飛んでいった。
国営テレビが公表した映像を見ると、これが元山空軍基地に隣接する岬の招待所のような貴賓施設から打ち上げられたことがわかります。
まずは位置が特定できる映像を2つ示します。
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極めて特徴的な写真です。水面に波がないことから、湖のような場所であることが連想されます。護岸工事されて、そこに道路があることから、生活用の道路ではなく、庭園のような人工的に作られた場所であると想像されます。ダムが元山周辺にありますが、ダムは水面の位置が頻繁に変わるので、このような道路は作れません。三叉路の道路も特徴的です。
これに合致した場所は元山空軍基地に隣接した貴賓施設にあります。多分、招待所です。招待所は別荘のように使われたり、工作員の教育にも用いられる特殊な場所です。映像に写っているのは、湖ではなく、小さな湾でした。
Google Earthの画像です。滑走路が見えますが、これが元山空軍基地です。過去にここの海岸付近からミサイルが発射されています。赤丸
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三叉路とその背後にある建物に注意してください。同じ建物が発射直後に見えます。
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ここが選ばれたのは、金正恩が視察に来るためでしょう。テストなら、滑走路の近くの海岸あたりでできますが、彼が招待所に宿泊したりするために、ここが選ばれたと考えられます。
最近、北朝鮮は金正恩が視察をするために、特別な警備しやすい場所が選ばれることが増えています。火星12号は強制収容所から打ち上げられました(関連記事はこちら)。38northは5月21日に打ち上げられた北極星2号の発射場所を、ヨンプン湖(Lake Yonphung)と特定しました(関連記事はこちら)。発射場所は北朝鮮の指導層が使う湖畔別荘から2キロメートルにあり、湖は一般人は立入禁止です。
今後もこういう場所で打ち上げ実験が続けられると考えるべきです。
このやり方はFBIの初代長官エドガー・フーパーがやった宣伝方法と似ているように思えます。彼は部下が手柄をあげると、現地へ飛んで、捜査官と共に新聞記者の写真に収まりました。大衆はフーパーが捜査を指揮したものと思い込みました。同じように金正恩も自分と弾道ミサイルを関連づけるよう宣伝を行っているといえます。通常戦力に自信が持てない状態なので、弾道ミサイルで力を誇示するための情報戦です。
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