米軍内の性的暴力に啓発運動が活発化
military.comによれば、月曜日、「軍隊の女性の行動ネットワーク(the Service Women's Action Network: SWAN)」は、性的暴行啓発運動「#MeToo」を軍隊に存在させることを目的として国防総省の外でデモを行う予定です。現役隊員が参加するかどうかは不明です。
10月から、「#MeToo」のハッシュタグがツィッターで広く拡散し、ハービー・ウェインスタイン(Harvey Weinstein)が性的暴行の告発で地位と名声を失った影響力のある男性たちのグループで最初の人になり、新しい啓発の波が国を襲いました。
しかし、長年軍隊の中で性的暴行の現実に対処してきた軍隊では、運動はほとんど存在しませんでした。
軍当局は、これは国防総省が性的暴行について教育を行い、防止を図りそれ自体が進行中の長期にわたる努力をするからだと言います。
しかし、一部の退役軍人と批評家は、報復を防ぐための政策、訓練、イニシアティブにも関わらず、軍隊の性的暴行の犠牲者が問題を公に話すことは未だにあまりにも難しいと言います。
国防総省報道官のグレイ・ロス海軍少佐(Navy Lt. Cmdr. Gary Ross)はMilitary.comに、国防総省は#MeToo運動に基づいたイベントやイニシアティブを何も行っていないと言いました。
「我々はこの件についてすでに非常に率先した立場にあります」と彼は言いました。
「我々何が受け入れられないかを理解するために、内部の聴衆を訓練する内部啓発キャンペーンに関して、すでに非常に活発です」
彼はSWANのイベントが適切なチャンネルを通じて組織され、制服は着ておらず、彼らが軍隊にいることを別途示さないかも知れないが、現役兵士が彼らの能力において参加しできるでしょうと付け加えました。
「このようなイベントは、軍隊から性的なハラスメントと暴行を除去する国防総省の継続される努力を強調します」と彼は言いました。
12月、タイム誌の意見社説で、SWANのコミュニケーション・政策の指導者、自身がイラクで勤務した退役陸軍軍人のアントニータ・リコ(Antonieta Rico)は、軍隊は国の性的不品行啓発運動で取り残されていると失望を表明しました。
「軍隊の女性は、1990年代初頭のタイフック事件(Tailhook)から今年初めのマリーンズ・ユナイテッド事件(Marines United)まで、何十年も意見を述べてきました」と彼女は書きました。
「そして、何十年もアメリカの大衆は我々を無視し、スキャンダルに次ぐスキャンダルが示すように、軍隊内の性犯罪者が罰を受けることなくハラスメントと暴力を続けるときに、軍高官が軍隊内の性的暴力の問題を撲滅するとリップサービスを使うのを許し、彼らに責任を持たせられていません」。
リコは「軍指揮官が#MeTooの審判に立ち向かい、彼らが許容してきた性的なハラスメントと暴力の根強い文化の責任をとり、たまには参加をすると要請しました。
確かに、昨年、高官が彼らの行いに答えを出すべき注目を集めるような事件の発生がありました。
軍歴36年のダニエル・ウィルソン海兵大佐(Marine Col. Daniel Wilson)は9月に、6歳の少女への性的虐待で禁錮5年半の有罪判決を受けました。
退役した陸軍将軍、ジェームズ・グラジオプレン少将(Maj. Gen. James Grazioplene)は10月に、6年間にわたり未成年者を強姦した件で起訴され、軍事裁判を命じられました。
最近では、12月に空軍第375機動航空団の指揮官、ジョン・ハワード大佐(Col. John Howard)は性的不品行の疑いに引き続いて解任されました。
嫌疑がなぜ公表されないかを推測するのは困難です。
しかし、SWANの指導者たちは、軍指揮官に事件を起訴に向けて進めるかどうかを決定するのを許す現在の軍隊のシステムが犠牲者に対して不利を強いていると主張します。
月曜日のイベントで話した退役陸軍軍人で、軍の性的暴行の生存者であるニコール・ボウエン・クラウフォード(Nichole Bowen-Crawford)は、ニューヨーク州選出の民主党員、クリステン・ギリーブランド上院議員(Sen. Kirsten Gillibrand)が書いた、軍司法改善法(the Military Justice Improvement Act)を提唱する人たちの中にいます。
法案は軍指揮官に軍に特有の犯罪で決定をなす役割を保つ一方で、指揮系統外の性的暴行のような犯罪に対する起訴の決定を動かします。
ボウエン・クラウフォードはMilitary.comに、侵攻の第5波の一部としてイラクに派遣された間、2003年に暴行が起きたと言いました。
「私は暴行を報告しませんでした。私はほとんど軍隊の文化のために報告しませんでした」と彼女は言いました。
「より高位の監督者から事件を指揮レベルへ持っていかないよう促されました。彼らはそれは私にとって、物事をさらに難しくすると言いました。私は彼らが私に本当に気を遣ったと思います」。
彼女を襲撃した別の部隊の軍曹は昇進を続けたと、彼女は言いました。
彼女は2004年に陸軍を除隊し、後に遅発性PTSDの生活を破壊する症状と取り組みます。
啓発プログラムの実施、犠牲者の援護団体、傍観者が介入する訓練、犠牲者に対する報復を防ぐ努力を含めて、当時から15年間で多くが変わりました。
しかし、ボウエン・クラウフォードは話すことが経歴に傷を付け、彼らを標的にするのを心配する隊員の中にある程度の恐れがあると言いました。
兵士に匿名で報告できるようにする実施されたシステムがあるのに、部隊の隊員はいまだに申し立てを見破る傾向があると、彼女は言いました。
「まだ軍隊に勤務する友人たちは、何人もが『私もよ(Me too)』と言いました」と彼女は言いました。
「まだ勤務している人たちからこの程度の沈黙があるようです。軍隊が処罰されずに性的な暴行やハラスメントを受けているという安全な場所でないからです」。
ボウエン・クラウフォードは月曜日にSWANのイベントで話す何人かの軍隊の性的暴行の生存者の一人です。
「私は人々が軍隊の、性的な暴行とハラスメントを受けた退役軍人の話を聞き始めるのを望みます」と彼女は言いました。
「『#MeToo』運動すべては、彼らが話を聞き始めようとしている兆候で、我々の声が問題の役に立てば、我々はもはや無視されません」。
抗議についてさらに知るには、Servicewomen.orgを訪問してください。
記事中のギリーブランド上院議員の活動は前にも紹介しました。(過去の記事はこちら)
軍隊が男性社会で、女性の権利を守るのに十分なシステムがないことを、よく示す記事です。軍隊は人々を守るための組織ですが、実際にはそうではない部分があるということは理解する必要があります。
アメリカだけに、様々な取り組みが行われていて、市民運動が活発なのは羨ましい限りです。
日本には自衛官と性犯罪を結びつける意見を頭から否定する国会議員がいます。元自衛官の佐藤正久参議院議員です。彼は米軍ですら、こういう現状であることを知らないのでしょう。
また、ネトウヨたちも、この種の批判に反応します。
さらには、従軍慰安婦問題の解決の足を引っ張っているのが、こういう現実を無視する態度です。かつては軍隊と慰安婦は切っても切れない関係にありました。
日本が敗戦したとき、最初にやったのが米軍相手の公営慰安施設を造ることでした。第一陣が来る前に設営しようとするほど熱心でした。それは自分たちが慰安所を運営していたからです。
そうした施設がないと、米兵たちが暴れて、婦女子が強姦されると日本政府は考えたのです。
しかし、アメリカ本土で批判が起きて、慰安所は閉鎖を命じられました。これが現実です。
日本も米軍以上に自衛隊内での性的暴力に対する対処が必要ですが、そもそも、部隊内で性的暴行があるとの認識すらなく、国会議員が自衛官に対する侮辱だとしか受け止めないので、改善される見込みはありません。男性隊員同士の暴力事件も多く、まして異性間の暴力事件はなおさら懸念される必要があります。
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