ハッチンズ軍曹に有罪の可能性が浮上

2011.1.14


 military.comによれば、イラクで非武装の民間人を殺害した件で軍事裁判にかけられ、昨年殺人の有罪判決が取り消された海兵隊のローレンス・ハッチンズ3世3等軍曹(Sgt. Lawrence Hutchins III)について、軍の最上位の裁判所が問題視しています。

 ワシントンの軍控訴裁判所(the Court of Appeals for the Armed Forces)はハッチンズ軍曹の裁判に間違いがあったことを認めながらも、それらは有罪判決を覆すには足りないとしました。軍控裁は、より下位の海軍・海兵隊控訴裁判所(U.S. Navy-Marine Corps Court of Appeals)に控訴を再検討するよう命じました。

 ハッチンズ軍曹は昨年6月、彼の主任弁護人が裁判開始の3週間前に解任されたため、彼が2007年に不公正な裁判を受けたと軍控訴裁判所が裁定したあとで釈放されていました。火曜日の決定はハッチンズ軍曹の有罪判決が復帰する可能性を開きました。

 ハッチンズの弁護人バブ・カザ大尉(Capt. Babu Kaza)は、この裁判にはメリットがないと言います。彼は、より上位の裁判所に下級裁へ差し戻すのを再考するよう申し立てをすると言いました。有罪判決が復帰したら、カザ大尉は控訴すると言いました。


 この事件は過去に何度も紹介してきました。下の記事はそれらの中で重要なものです。

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 本来、ハッチンズは有罪判決を受けるべき人物です。それが裁判上の手続きの不備で無罪になったのです。こうした問題はしばしば起こります。イラク派遣を拒否して良心的兵役拒否を主張したエレン・ワタダ中尉の裁判も手続き上の問題により裁判は中止されました。

 ワタダ中尉の場合と違い、ハッチンズ軍曹については無罪判決後に裁判に対する批判的意見が出されました。裁判所はその結論を出したようです。裁判が差し戻されれば、上級審の意向を汲んだ裁判になるため差し戻しの是非は問われず、再び控訴の内容についての審理が行われることになります。この裁判は、まだこれからのようです。



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