イギリスが海賊防止に武装警備員を検討
2011.11.1
追加2011.11.2 5.40
BBCによれば、デビッド・キャメロン首相(David Cameron)は、昨年世界で起きた53件のハイジャックの49件が起きたソマリア沖を輸送する危険と戦うことを望んでいます。
計画では、国土安全省が船舶の武装警備員に免許を与える権限を与えられます。
武装警備員を乗せた船はハイジャックされたことがありません。英国商船旗を掲げた船約200隻が定期的にソマリア付近を通ります。当局者はそれらの約100隻がすぐに武装警備員を持つ許可を得られると見積もります。
国連海洋法条約の下、掲げた旗の司法権に属します。
選択肢がないと感じるため、多くのイギリス船はすでに武装警備員を乗せています。
しかし、武装警備員を乗せた船を認可することは他の国で法に反するかもしれません。最近、エジプトはスエズ運河を通る船に武装警備員を認めないと発表しました。
キャメロン氏はオーストラリアで、この問題に直面する国の指導者と会談した後で、武装警備員を合法化したいと考えたと言いました。
しかし、武装警備員は紅海やアデン湾のような危険な水域を通過する間にだけ許可されるでしょう。
以前の政策はイギリス船舶に私的な武装警備員の使用を強く阻止するものでした。
しかし、大臣たちは異例の事態に海賊と戦うよう姿勢を改めることを考え始めていると、ヘンリー・ベルリンガム外務大臣(Foreign Office Minister Henry Bellingham)は今年早くの下院外務委員会への提案において言いました。
内務省はイギリスの火器の法令をイギリス船舶にどう適用するか、洋上で禁じられている火器の所有を承認し、監視するのが実行可能かを調べたと彼は言いました。
キャメロン氏は私的な保安要員に射殺の権利を与えることに満足かと尋ねられ、BBCの「アンドリュー・マー・ショー(Andrew Marr Show)」で言いました。「我々は選択しなければなりません」「率直に言って、アフリカの角周辺のハイジャックと船の身の代金の程度は我々の世界の汚点です」。「ソマリアの大勢の海賊が世界の他の国と我々の貿易システムから身代金を取るという事実は完全な侮辱であり、世界中はずっと強い力で結集しなければなりません」。
世界の商船の80%を代表する国際海運会議所(The International Chamber of Shipping: ICS)は抑止効果がありそうなものとして動きを歓迎しましたが、短期的な措置にすぎないと言いました。
ピーター・ヒンチリフ事務局長(Peter Hinchliffe)は「恐ろしい影響がある」と、ICSは海賊が動きにどう対応するかを懸念すると言いました。「現在まで、武装警備員が乗船した船は捕らえられていません。しかし、海賊は武装警備員を圧倒する増加した火力で応じ、乗員への影響が起きる時は極めて恐ろしいものになるでしょう」。
「海運業保安協会(the Security Association for the Maritime Industry: Sami)」の代表、ピーター・クック(Peter Cook)は政策転換を歓迎しましたが、「オナラブル・カンパニー・オブ・マスター・マリナーズ(the Honourable Company of Master Mariners)」のコモドール・アンガス・メンジース(Commodore Angus Menzies)は「問題をどこか他に移す」と言いました。
クック氏は多くの武装した計便は元英海軍と英海兵隊の要員だと言い、「現在の余剰人員の解雇により、それは彼らが行くべき理想的な場所を与えました」と付け加えました。
運輸大臣、ジャスティン・グリーニング(Transport Secretary Justine Greening)は、乗員と荷物を守る適切な方法をとるために合理的だと言いました。
影の内閣の外務大臣、ジョン・スピラー(John Spellar)は動きを歓迎しましたが、政府から実行方法についてもっと説明が必要だと言いました。
クック氏はほとんどの武装警備員は高速弾を使うライフル銃を使い、それは乗船する前に海賊を抑止するために使われると言いました。彼は武装警備員がいる船が海賊に捕まらなかったことを認め、数件で警備員が海賊に発砲したと言いました。
国際運輸労連(the International Transport Workers' Federation)の事務局長、デビッド・コックロフト(David Cockroft)はBBCに「これは船乗りにとって心強い動きですが、過去に海賊が新しい防御手段のそれぞれに、より強力な武器とより凶暴になることを選んで対応するのを見てきたことが心配です」と言いました。「すべての大きな船旗にとって自分で海賊と戦い、彼らの基地を攻撃して、逮捕して投獄することに代わる方法はありません」「もっか最大の登録者の一部はNATO軍、EUの合同艦隊、いくつかの独自の派遣に依存しています」。
海事リスク・コンサルタントのヘイマーケット社(Haymarket)は、武装警備員の導入は輸送・保険業界で何百万ポンドも節約するだろうと言いました。リスク専門家のジョン・ベゼイル(John Bisseru)は「防止は前向きな方法です。資格のある訓練された武装警備員は重要なステップです」と言いました。
フランスとスペインは艦船保護分遣隊を提供し、イタリアが似た方法を計画しています。
7月にベルリンガム外務大臣は、限定的な軍事資源は海兵隊が船を守る役割のために使えないことを意味すると言いました。
実施されているその他の対海賊措置は、財務当局がケニヤに海賊の資産を追跡することを助ける支援を提供することを含みます。
キャメロン氏は海賊を裁判にかけて投獄する役割を果たすセイシェルとモーリシャスのような国に支援を与えることもできると言いました。
武装警備員を乗船させる海賊防止策は以前にも紹介しました(記事はこちら)。また、コンピュータで海賊が出やすい場所を予測する手法についても紹介したことがあります(記事はこちら)。強攻策がうまく行くかどうかは分かりません。たとえば、海賊が何隻も集まって、船団で同時に攻撃を行い、警備員に対処しきれなくするのは、最も考えやすい対応策です。攻撃に成功した場合、警備員や乗員に拷問や殺害を行うことで、この方法を止めさせる彼らの側からの「抑止策」がとられる危険もあります。
国際海運会議所が言うとおりに、警備員は短期的な措置になる可能性もあります。一時的に効果はあげるものの、海賊が対処策をとるともとの木阿弥になるという予測が最も考えやすいところです。大抵の場合、こうした問題は通れる道をすべて通ろうとするもので、簡単な解決方法はないものだからです。
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