監視団体によるF-35計画報告(3)

2019.4.1


亀裂を生じる航空機の耐久性

 軍はF-35が半世紀間飛ぶことを期待していますが、交換されることになっている多くの旧式の航空機は最初のF-35がスクラップにされる時までに依然として就役しているかもしれません。

 すべてのF-35は標準的な軍用機の耐用年数、8,000時間の就役期間を持つとされます。設計が持続するのを確実にするために、各モデルは離陸、着陸の間と飛行中に受ける代表的なストレスに対処できるかを判断するために3回に値する耐用年数(24,000時間)の構造荷重試験にに耐えることが必要とされます。何年かにわたるこの寿命試験の過程で、エンジニアは試験機の機体の構造部と接合部に亀裂と摩耗のたくさんの実例を見つけています。例えば、F-35の垂直尾翼と機体の接合部は2010年10月の試験の間に壊れました。これは後に製造工程に組み込まれた接合部の再設計を強いました。その試験機はこの修理などのあと、完全な3倍の耐用試験を完了し、2018年の報告によれば、現在はそのほかの修正が必要か、F-35Aが8,000時間の耐用が本当にあるかを判断するために完全な評価の進行中です。

 海兵隊のF-35Bの機体構造試験は3回の寿命試験を完了できないことを証明しました。2018年の報告によれば、統合計画部は、彼らが機体がもはや必要な修繕と変更が広すぎ、組み立てラインから来る航空機の貫通翼構造を代表していなかったことに気がついた2回の寿命のあとで、その機体に対する試験を2017年に中断しました。驚くことに、契約に必要な3完全な回の寿命のためにF-35Bを試験する交換の機体を入手する計画はありません。航空機が完了した試験の間に集められたデータを使い、評価者はF-35Bの就役期間を約2,100飛行時間と低いと判断しました。これは海兵隊は7年間で最初のF-35の退役をはじめる可能性があり、8,000時間の就役期間を立証するいかなるF-35Bも獲得しないかもしれないことを意味します。

今日のF-35Bは計画が予定する2070年末より早い、
2026〜44年頃に廃棄物処分場で終わりかねません

 同様に統合計画部当局は修理するには数カ所の構造物にあまりにも費用がかかると思われた損傷が見つかったのに引き続いて3回目の耐久試験の半ばで海軍のF-35Cの試験機の耐久試験を中止しました。F-35Bと同じく、計画部は交換する試験機を入手したり、必要な3番目の寿命試験を完了する計画を持たないようです。

 後継モデルの就役期間に合わせるために、すでに製造されたF-35は完了すらしていない試験の間に見つかった問題を修正するために設計変更を組み込むために費用のかかる改造を必要とするでしょう。

補給・整備を蝕む兵站情報システム

 F-3の主要契約社のロッキード・マーチン社が所有し、動作する問題のある兵站情報システム(ALIS)は大規模で複雑なネットワークは計画全体を悩ませるままです。

 ネットワークは整備分析と日程管理を統合し、戦闘任務立案と脅威解析とのチェーン管理を提供するとされます。システムは成果を上げていないという政府自体の政府説明責任局を含む何年もの証拠に関わらず、ロッキード・マーチン社はALISの能力は作戦の対価を減らし、航空機の利用可能性を向上させますと自社のウェブサイトで主張します。多くの国防総省の意図的な省力化の努力のやり方で、ALISは実際には、間違った整備分析、扱いにくいデータ入力手順、航空機とALISの間のデータのアップロードとダウンロードを含む頑固な問題のために追いつめられた整備員の作業負荷を増やしています。事実、ALISはあまりにも多くの欠点を持ち、あまりにも多くの故障をし、ロッキード・マーチン社はそのバージョンを2018年3月まで自社の製造現場で使いすらしませんでした。

 計画はALISのバージョン2.0.2.4を2018年に配備しました。現場の部隊はそれに多数の重大な問題を報告しました。皮肉にも、システムの開発計画ツールは開発しているF-35の部隊のかなりの困難を軽減しませんでした。

 ユーザーたちはライフ・リミテッド・パーツ・マネジメント・ツール(the Life-Limited Parts Management tool)に、どうシステムが機能するかとは正反対に、膨大な時間を浪費し、彼らに仕事を終わらせるためにシステムの周りで手作業を必要とさせるといって不満も言いました。そうしている間にも、さらにもう一つのALISのバージョン3.0.1が2017年後期から試験されていて、すでに2つの修正が必要になっていて、その最新の3.0.1.2が初期作戦試験・評価で使うために導入されたものの、半年で再びアップグレードされるでしょう。

 最新のDOT&E報告で話題になったフレーズーー「手作業の急場凌ぎ」はALIS神話における共通のテーマです。ALISがすることができるとされることの大多数は、整備員と管理スタッフによる「高いレベルの手作業の努力」でのみ機能します。たとえば、開発計画ツールの問題と航空機で生成されたデータのALISへの転送はいまだに修正されていません。必要な仕事を終わらせるために、請負業者の技術者は軍の隊員と交替し、「頻繁な作業停止」を引き起こす必要があります。F-35が整備活動を必要とするときはいつもシステムへのログインされなければなりません。試験報告によれば、「ALISにおける整備作業の記録は多くの場合、整備活動を完了するよりも時間がかかります」。

 脱出シートのような部品が問題を起こしたとき、要員たちはALISの電子装備ログブックに記録しなければならず、それはそれから補給網を通じて部品を追跡するはずです。ほとんどのこうした活動については、ALISはこのプロセスを自動化するはずです。しかし、いまのところ、整備要員は彼らがかわりに手入力でネットワークに「不足しているか不正確な」データを入力しなければならないことに気がついています。F-35の様々なサブシステム供給業者の間での標準化の欠如は電子装備ログブック機能の問題の主要な原動力の一つです。国中の約1,500の供給業者への下請契約による外部委託は、広範な議会の支持を得て計画に賛成するのに役立ちましたが、ALISのデータエラーを増やし、部品配送を遅め、計画の費用を増やしています。

 これらの問題すべてとともに、多くが何年も存続するというという事実により、「エンドユーザー(ハードワークをする軍服の整備要員)」はALISの機能性に疑問を持つのは当然です。報告によると、一部の要員は頻繁に不正確とわかるALISが生成するデータのチェックとして、部品の使用量を追跡するためにラップトップ上に別のデータベースを管理し、記録簿を2組み持っています。

 これらの問題の多くはパッチの上にパッチを受け取り続けて、永遠にソフトウェアのものとされ続けそうです。ALISは少なくとも27のバージョンを重ねています。今年の試験報告だけで5回の考察が含まれます。それぞれは初期のバージョンにおける機能を追加し、不備を修正することになっています。DOT&Eはシステムを悩ませている誤った警報を排除するのを助けるパッチを含めていくつかの進展を報告します。ALISはいまだにそれが解決するよりも多い問題を発生し続けます。プログラムはこれからの3年間にわたって4回の主要なALISのアップグレードを計画しているところです。この中に内在する課題は、各バージョンがほとんど確実に新しい問題を持ち込むであろうということです。「いくつかの推定によると、セキュリティ用パッチの10〜15%が実際に新しい脆弱性を持ち込みます」とソフトウェア開発者のチャド・ペリン(Chad Perrin)は2010年に「TechRepublic」に書きました。計画はこれに対処するためにより頻繁で、より小さなリリースを発表する予定です。

ALISはあまりにも多くの欠点を持ち、あまりにも多くの故障をし、製造社のロッキード・マーチン社はそのバージョンを2018年3月まで自社の製造現場で使いすらしませんでした。

 ALISの設計者たちは新しい問題と開発プロセスの初期から持続するものを解決するための作業を持ちます。たとえば6年近く前、ALISの飛行隊健康管理アプリケーションはある飛行機が任務に非対応だといい、一方で同時にもう一つのアプリケーション、カスタマー整備管理システムは飛行機が飛ぶ準備ができていると不正確な報告をしました。2012年12月にALISのバージョン1.0.3A3で最初に確認され、この問題は未だに修正されていません。

 ALISの問題は空軍が最近、ロッキード社からの支援で、空軍は現在、「マッド・ハッター(Mad Hatter)」と呼ぶ新しいプログラムを開発するために活動しているとと報告するほど悪化しています。それはフライトライン上で組み込まれたWi-FiとタッチスクリーンによってALISの意図された機能のすべてを行います。明確にいうと、納税者はALISを作るためにロッキード・マーチン社に金を出し、ロッキード社はその完全なごった煮を作り、いま納税者はロッキード・マーチン社に交換品のマッド・ハッターを作るために金を払う一方で、オリジナルのシステムにパッチを繰り返すために経費を支払います。
(続く)

「監視団体によるF-35計画報告(1)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(2)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(4)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(5)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(6)」はこちら

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.