監視団体によるF-35計画報告(6)

2019.4.10


作戦試験の結果を歪める利益相反

 試験立案、実行と報告において偏向がないことを確実にすることは、十分な資源と試験を有能に管理するのと同じように重要です。議会はDOT&Eを1980年代に、調達の提唱者が彼ら自身の試験を書き、格付けする契約業者と軍隊の慣例を終わらせるために国防総省における独立した試験部として創設しました。それでもやはり、F-35計画部はF-35の主要契約業者であり、一つの主要なF-35のシステム試験を行い、他の結果を分析して報告するため、好意的な作戦評価から最大の利益を得る企業であるロッキード・マーチン社を承認しました。

 第一に、政府のサイバー・レッドチーム(訳注 仮想敵を演じるチームのこと)を使うかわりに、過程の中で利益相反が発生しないようにするため、計画部はALISの全般的サイバー脆弱性評価の一環として、ロッキード・マーチン社のレッドチームに世界規模のALISネットワークの心臓と頭脳である自社のALISネットワークのサイバーセキュリティ試験を行うために金を払いました。

 第二に、計画部はF-35実弾発射の脆弱性試験を分析し、航空機が契約上の仕様と4つの防空を脅かす兵器に対してパイロットが生き残る軍の必要条件を満たすかどうかについてのF-35の脆弱性評価報告を作るためにロッキード・マーチン社に金を払いました。。

 今年のDOT&Eの報告によれば、ロッキード社の研究は3種類のF-35は、4つの脅威のうち3つとの交戦時にパイロットの安全な脱出を作動させることで統合打撃戦闘機JSFの契約仕様必要条件を満たしたと確定しました。それは2017年のDOT&Eの報告と反対の結果です。報告はF-35Bが4つの中の3つの脅威に対してパイロットのサバイバル仕様を満たせず、F-35の脆弱性は予想よりも大きいと述べました。ロッキード社のアナリストは、驚くことではないけども、F-35は4つの脅威のそれぞれに攻撃をされたあとで安全な領域になんとか帰還することで、時代に合わないF-16と同じくらいの残存可能であると、その軍事的必要条件を少なくとも満たしたとも結論しました。

 奇妙なことに、ロッキード社の脆弱性評価報告は、F-35と置き換えられる予定のその他の旧式の航空機、残存可能で有名なA-10を分析しませんでした。外見は偏見の疑いを和らげ、 DOT&Eはロッキード社の結論の独立した評価を行うだろうと述べますが、結果は作戦試験が完了する後まで報告しないでしょうから、この主要な段階にとって結果はほとんど意味をなさないでしょう。

 ロッキード社は海軍のF-35の実弾発射試験データの全体的に分析さは、サマリーを作ることも任されました。それはF-35の戦闘における未来のコンピュータ・モデリングすべてに影響しそうです。DOT&Eの報告は、この研究がいつ公表されるかを示しませんでした。

進展を評価するための重要データが不明との報告

 今年の評価は14ページと、過去数年のそれよりもかなり短いのです。2017年の報告は十分な29ページで、2016年の報告は61ページでした。昨年4月の開発試験の恣意的な終わりと2018年12月の作戦試験のはじまりの間の隔たりは、今年の報告の簡素さをある程度は説明づけます。

 しかし、それは重要な情報が、特に以前に含められていた報告の部分が今年の報告から欠落したことを説明しません。先に指摘したように、報告は今年もいかなる年もの計画の完全任務利用可能率へ言及しません。最後の評価の中で報告された26パーセントは悲惨なもので、計画の指導者たちに多大な当惑を生んだようです。それはどう見ても今年、数字を除外した弁解にはなりません。

数百の致命的で未解決の設計上の欠陥にも関わらず、
F-35統合計画部は現在のスケジュールに固執します。

 DOT&Eは2017年の報告に含められた主要な性能測定基準に関する新しいデータも隠しました。2018年の報告は昨年の10から落ちて、2つのデータ表のみを含みます。2017年の報告は位置で分類した、詳細な数字を伴う計画の利用可能率を示す表を含みました。今年の報告は率が計画の目標の60パーセントを下回ると述べるだけです。

 2017年の報告は兵器の発射精度試験事象と空対空ミサイル発射、空対地発射、射撃の成功・失敗の状態を一覧にした表も含みました。機銃試験の議論はともかく、2018年の報告にみられた計画の戦闘試験性能は、さらなる試験が行われたのに言及されていません。空軍は2018年4月に成功した試験事象を公にして、十分に最新の評価の報告期間なのですから、それを排除することで、保安上の懸念が決定的要因になってはなりません。

 連邦法の下では、試験部は評価する計画についての年次報告を書き、機密版を提出すると同時に非機密版を提出しなければなりません。この報告に含まれた、過去数年と比較して、より少ない情報は、DOT&Eが透明性を下げ、過去に公開した情報を隠すことでホワイトハウスと国防総省の指導層の例に倣ったかもしれないことを示します。

試験部と議会は兵士と納税者の利益を守れ

 現在、F-35計画はスケジュールから十年間近く遅れ、予算を2000億ドル越え、予想の遥か下のパフォーマンスを続け、国防総省とロッキード社の多くの誓約を果たすことができません。継続するパフォーマンスと設計上の欠陥は、過去20年間になされた巨額の投資には見合いません。この時点で、作戦試験の調査者は、便宜のために戦闘のリアリズムを犠牲にするための、強力な政治的圧力に屈することなく、軍隊、F-35計画部とDOT&Eが合意した、もともとの厳格な試験計画を完了すべきでした。その時はじめて、F-35が実際に戦闘で機能するか、F-35をA-10に置き換えたとき、我らが兵士たちが十分に支援を受けられるかを知ることができます。その時まで、よりよく兵士と納税者を助けるために、議会は毎年増えつつあるF-35の生産率を止めるべきです。全面的にふじゅうぶに試験された、欠陥だらけのF-35の製造はさらに一層納税者の金を費用のかかる改造で無駄にするでしょう。

 議会はDOT&Eに過去の透明性を取り戻すようにも求めるべきです。議員たちはそれから、その作戦試験の透明性を監督責任を担うために活用し、隠された情報が公開されるよう求めるべきです。

 アメリカ国民、特にF-35に命を預ける男性と女性はそれに勝る価値があります。

「監視団体によるF-35計画報告(1)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(2)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(3)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(4)」はこちら
「監視団体によるF-35計画報告(5)」はこちら


 あとで原文にあるリンクを設定したり、コメントを追加する予定です。

 


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