チェン２等兵自殺で最初の有罪判決

　military.comによれば、いじめで自殺した米陸軍のダニー・チェン２等兵（Pvt. Danny Chen）に関して起訴されたアダム・ホルコム３等軍曹（Sgt. Adam Holcomb）に有罪判決が下されました。

　10人の陪審員はより小さな罪状、部下の虐待と暴行によりホルコムを有罪とし、最大２年半の禁固に直面します。陪審団は最終弁論の後、２時間議論をしました。ホルコムはチェンに対する人種差別的ないじめで起訴された８人中で最初の１人です。ホルコムは証言台で声明を述べ、自分が間違ったことをしたと理解しており、PTSDに似た症状で苦しんでいるとほのめかしました。「私はCTスキャンを受けていませんが、そこに問題があることを知っています」。他の４人の男たちは、この事件で最も厳しい過失致死罪に直面します。

　ニューヨーク市議のマーガレット・チン（Margaret Chin）は評決を批判しました。「この決定はチェン家と全国の軍人への侮辱です」とチン市議は月曜日に声明で言いました。「我が軍の中でしごきといじめが広まっていることがこれほど暴かれたことはかつてありません」。「ホルコム軍曹はチェン２等兵を肉体的と言葉で虐待しました。彼の憎むべき、人種差別的振る舞いの活動は容赦なく、チェン２等兵を死に追いやりました。最も思い罪状を認めなかったことで、軍はホルコム軍曹をうまく許しました」。チンはチャイナタウンとロウワー・イーストサイドを含むロウワー・マンハッタンを代表します。チェンは中国移民として生まれ、マンハッタンで育ちました。彼は高校を卒業すると陸軍に入隊し、死んだ時点でアフガニスタンにいたのは２ヶ月間だけでした。

　「the Organization for Chinese Americans」のニューヨーク支部長、エリザベス・オーヤン（Elizabeth OuYang）は、最低でもホルコムは陸軍から除隊されるべきだと言いました。「米陸軍がアジア系アメリカ人が我が国のために戦うことを期待するのなら、彼らはアジア系アメリカ人の兵士が人種差別的な行いに従事する上官から保護されるという強いシグナルを送らなければなりません」。

　裁判中、弁護人は家族から縁を切られたチェンは役立たずの兵士だと表現しました。検察官はホルコムがチェンを虐待し、自殺に追いやったと言いました。

　この事件は何度も紹介してきました。（記事１・２・３）　

　３等軍曹が兵卒を指揮する立場にあることを考えると、禁固２年半は軽い感じがします。不名誉除隊のような処罰も必要と感じますが、それは量刑のバランスを考えて裁判官が後日宣告することです。

　ホルコムがPTSDのせいにしているのは言い逃れです。治療を受けた事実があれば医療記録を証拠として出せたはずです。まったく反省していない点も量刑に加味すべきと感じます。