パネッタ長官が女性兵士を戦闘任務へ
military.comによれば、レオン・パネッタ国防長官(Defense Secretary Leon Panetta)は、戦闘任務に女性を勤務させることを承認しました。
統合参謀本部による解禁は、1994年に小規模の地上戦闘部隊に女性を配属することを禁じた規則をひっくり返します。国防長官の決定は、女性に認めるべきではない特例を考えるために、軍に2016年までの期間を与えます。
「この政策変更は、軍がこの決定を実行するための計画を作成するプロセスを始めさせます。それは統合参謀本部の勧告と同時に国防長官によって出されました」と防衛当局者は言いました。いくつかの職務は今年すぐに解放されるかも知れません。海軍シールズと陸軍デルタフォースを含む特殊部隊のような職務の評価はさらにかかるかも知れません。
当局者は軍指導者は食の実施計画を5月15日までにパネッタ長官に報告しなければならないと当局者は言いました。当局者は匿名を希望しました。
パネッタ長官の決定は、昨年国防総省が解放した、ほとんどが陸軍の約14,500の戦闘任務の女性への解放を拡大します。この決定は、多くは陸軍と海兵隊歩兵部隊で、さらに230,000以上の職務を女性に開放します。
女性は140万人の現役軍人の14%です。
記事は一部を紹介しました。
この問題はかなり前から当サイトでも紹介し続けてきました。
米陸軍は昨年、旅団レベルに配属される女性兵士を、前線に出る大隊レベルに配属できるようにしました。その結果、約14,500の職務が女性に開放されました(過去の記事はこちら)。
それよりも前に、女性は特殊部隊に同行する任務をこなしていました。アフガニスタンなどで、現地の女性と話すには、女性兵士の方が適しているためです。この辺から、既成事実として、女性兵士が前線に出ることが認められてきました(過去の記事はこちら)。
さらに前には、イラク侵攻後に、検問所に現地女性の身体検査をするために女性兵士が配属されていました。その為に自爆テロの攻撃対象となり、殉職者も出ています。
この問題はバラ色ではありません。女性兵士が軍隊内でセクシャルハラスメントを受ける場合があることが2008年に報じられています(過去の記事はこちら)。
また、テレサ・キング最先任上級曹長が米陸軍の訓練担当曹長学校の校長に任命されることに対して、強い反発が事件を生んだこともありました(過去の記事はこちら 1・2)。
その他、「女性兵士」というキーワードで当サイトを検索すれば、色々な記事が出てきます。
この改革がうまく行くかどうかは分かりません。前線に行く部隊でも、歩兵小隊に配属されることは少ないかも知れません。戦車隊の方が、体力勝負しなくて済む分は、女性兵士に向いているかも知れません。
読売新聞が「アフガニスタンなどでの対テロ戦争の任務は前線と後方の区別が明確でないことや、戦闘任務参加の有無で昇進に差が出ることなどから、女性兵士らが制限の全面撤廃を求めていた。」と書いています。対テロ戦で、前線と後方の区別がないという説明は不適切です。ジェシカ・リンチ上等兵が捕虜になった事件は、前線がある戦争でも女性が戦闘に巻き込まれることはあることを示しています。かなり前から、女性兵士が戦闘地域に出ることは既成事実でした。女性兵士は基地内での勤務が多く、基地街での任務は例外的という程度の区別はされていたのです。国内報道機関の記者は、過去の経緯に無頓着すぎ、こういう不適切な記事を書くのです。
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