「殺人チーム」のホームズは司法取引で実刑7年

2011.9.25


 military.comによれば、米陸軍は「殺人チーム」の容疑者、アンドリュー・ホームズ上等兵(Pfc. Andrew Holmes)の軍事法廷を行う予定ですが、ホームズの弁護士は陸軍検察官と司法取引を行ったと言いました。

 司法取引が司令官により承認されたかは明らかにされていません。しかし、ホームズ上等兵の弁護士、ダニエル・コンウェイ(Daniel Conway)は依頼人が関与した殺人で殺人罪と共謀罪で無罪を主張すると言いました。

 陸軍広報官、クリス・オファード少佐(Maj. Chris Ophardt)は、司法取引の交渉は水曜日にルイス・マッコード合同基地(Joint Base Lewis-McChord)で行われていると言いました。ホームズは昨年アフガニスタン人を殺害したとして訴えられた5人の内で最も年下です。

 殺人容疑で有罪ならホームズ上等兵は終身刑になる可能性があるため、弁護団は合意を交渉しています。

 彼と彼の家族は彼が無罪だと主張します。

 「それは大きなギャンブルです」と彼の母親デーナ(Dana)は言いました。

 事件を目撃した他の兵士は犯行を違うように描写しました。ある兵士はホームズがアフガン人への射撃に加わる前にモルロック(主犯)が手榴弾を被害者に投げていたと言いました。ホームズ上等兵の弁護士はホームズの武器はアフガン人の死を引き起こしていないという法医学者の証言を得ました。

 「私たちはアンディを信頼します」とデーナは言いました。「私たちはアンディの最後の法廷出頭日が来て、彼の主張をすることができるのを嬉しく思っています」。

 司法取引はルイス・マッコード合同基地の指揮官、ロイド・マイル少将(Maj. Gen. Lloyd Miles)が公判が始まる前に承認しなければなりません。

 米陸軍は昨年、ホームズと11人の小隊の仲間に職権乱用と戦争犯罪を突きつけました。7人は有罪を宣告されるか、司法取引を受け入れました。


 この事件に関する過去の記事はこちらです()。

 昨日、この記事を掲載するつもりで果たせませんでした。ホームズ上等兵を支援する家族のホームページ(サイトはこちら)によれば、彼は法廷で司法取引の一環としてより小さな罪を認め、禁固7年間の判決を得ました。終身刑は回避できたのです。

 マイル少将にとって、宣誓供述があり、法医学者の証言もあるので、司法取引を認めて、ホームズの終身刑を回避し、他の容疑者を有罪にするためのホームズの証言を記録に残すことに問題はありませんでした。軍事法廷としては然るべき形になったと言えます。

 しかし、殺されたアフガニスタン人や彼の家族にとって、米軍の裁判なんかどうでもよい話です。被害者の家族など、現地の人間が証言のために法廷に呼ばれることはほとんど聞きません。被害者の名前が法廷書類に示されない場合もあります。軍事法廷は軍規を破った者を処罰するために設けられていて、被害者への償いも含まれてはいますが、二の次です。まして、加害者に被害者が損害賠償請求するなんて聞いたことがありません。しかし、そういう損害賠償請求が可能になるような国際社会が実現する時、戦争の危険は小さいものになるでしょう。少数の者の国だけが富み、他は貧しい現状が戦争の原因であるのは間違いがありません。多くの国で近代的な社会制度を実現させることは、間違いなく戦争の危険を減らすのです。



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