米最高裁がバーン・ピット訴訟を却下
military.comによれば、米最高裁はイラクとアフガニスタンのバーン・ピット(廃棄物焼却用の穴)のために健康問題を受けたと主張する軍の退役軍人からの上訴を却下しています。
月曜日の裁判は、バーン・ピットに関する60件以上の訴訟を先へ進めないという米連邦控訴裁判所の判決をそのままにしました。
訴訟は軍の契約企業のKBR社がタイヤ、バッテリー、医療廃棄物とその他の資材を開放したバーン・ピットに捨てたと言いました。訴訟は煙が800人以上の隊員に神経学上の問題、癌、その他の健康問題を生じる結果となったと主張しました。会社は少なくとも隊員12人が死んだと言いました。
上訴裁判所はKBR社が本質的に軍の支配下にあり、廃棄物を管理する方法を決めることで少しの決定権を持っていたと述べました。KBR社の弁護士はバーン・ピットを使うという決定は軍隊が決めたと言いました。
KBR社はかつてはハリバートン社(Halliburton Corp)が所有していました。
この問題はこれまで何度も取り上げてきました。ジョー・バイデン元副大統領の息子もバーン・ピットが原因で死んだ可能性があるといわれています(関連記事はこちら)。
この訴訟は2017年に連邦地裁で敗訴していました(関連記事はこちら)。2018年には連邦高裁で敗訴しました。(関連記事はこちら)
以前から司法上での決着はむずかしいといわれていました。連邦議会が救済に動いていて、裁判所も議会による解決が望ましいと述べていたので、最高裁も形としてはそれを支持した形です。
しかし、健康被害はかなりの規模になっていて、被害者たちは納得がいかないでしょう。国のために働いて、国の不作為で死亡を含む被害が出たのですから。
アメリカは国内では厳しい環境基準を持っていますが、米軍は国外に出ると、その基準を無視して活動することがあります。これは米軍基地を持つ日本でも無縁の話ではありません。
女性隊員に高い不妊率がみられることにもバーン・ピットが影響している可能性があるといわれています。(関連記事はこちら)
国家のために戦っても報われないこともあります。これはあらゆる国の人が考えておかなければならないことです。
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